~リアルタイム計測管理による安全で高品質なトンネルへの取組み~
2011年4月15日
西松建設(株)は、(株)ソーキと共同で、早期断面閉合が実施される変形性の大きな不良地山に対して、安全で効率的なトンネル施工を実現するために「一次インバート施工管理システム」を開発し、早期断面閉合を実施したトンネルでその有効性・施工性を確認しました。
不良地山に対してトンネルを施工する場合、上半切羽から10m以内の位置で一次インバートを施工し、早期にトンネル断面の閉合を図ることで、トンネルの変形や沈下を抑制する施工事例が増えています。その際、「一次インバート施工管理システム」を適用することで、切羽の押出し変状をリアルタイムで監視するとともに、一次インバートの出来形(掘削面高および支保工設置状況)を効率的に高精度で計測管理することで、作業の安全性が確保され、高品質なトンネルが実現できます。
「一次インバート施工管理システム」は、山岳トンネル工事の施工管理に多くの実績を有するトンネルマーキング・計測システム「TopLun」((株)ソーキ)に追加する形で廉価に使用できます。計測方法は、トータルステーションを一次インバート近傍の側壁肩部にあるロックボルト頭部に架台治具を取り付けて設置し、これを坑内仕様のハンディPC(タッチパネルモニタ)で無線操作することにより、ターゲットを使用しないノンプリズム方式で直接地山を自動計測し、あるいは支保工に設置した反射プリズムを計測します。

「一次インバート施工管理システム」の概念図
【主な計測機能と特長】
1.切羽面計測
一次インバート掘削時の切羽面の押出し状況をノンプリズム方式で自動計測し、リアルタイムで切羽変状監視を行います。
測点ごとに押出し量に応じて「範囲内」、「注意」、「要注意」、「厳重注意」の4段階を色分けしてハンディPCの画面に表示することで掘削機械のオペレータに切羽面の状況を知らせます。
また、パトライト等の報知器と連動させ、坑内作業員全員に危険性を通報することも可能です。
2.断面計測
一次インバートの掘削がある程度進んだ段階で「切羽面計測」から「断面計測」へとシステムのモードを切替えることで、掘削中の一次インバートの掘削面高をノンプリズム方式で自動計測します。
床付け面計画高に対する差異量を画面に表示することで、掘削の過不足(余掘り、アタリ)の確認を行いながら掘削作業を進めることができます。計測結果(余掘りやアタリの量)は見やすいように、断面図および展開平面図の表示が選択可能です。切羽面の押出しが気になれば、随時「切羽面計測」モードに切替変更が可能です。
3.支保工計測
一次インバート部に設置する支保工の高さを、反射プリズムを用いることで高精度に計測します。
一次インバートの掘削が終了後、床付け面には吹付けコンクリートや鋼製のインバートストラットの支保工設置を行いますので、システムを「支保工計測」モードに切替えます。ハンディPC画面上に表示されるカーソルキーでトータルステーションを遠隔操作により誘導し、支保工の左、右、中央に設置したプリズムを視準し、床付け面に施工した支保工の設置状況(設計高・位置との誤差)を瞬時に高精度で計測し画面に表示します。これにより直ちに適正な位置への修正を図ることが可能となり、確実な施工による高品質のトンネルが実現できます。

本システムを適用した早期断面閉合によるトンネル(一次インバート)施工状況





