NEWS & TOPICS
新着情報

2017年03月24日
国内初となるダム越冬面のチッピング処理を実施 ~パッチプレーナーを活用し、優れた施工効率と高精度な切削深さを実現~

当社は、レントリー多摩株式会社(東京都町田市野津田2587-1、社長:石居健二)、新日本工業株式会社(東京都江東区佐賀1-11-11、社長:金子佳正)と共同でコンクリートダム工事における越冬面の水平打継面のチッピング(※1)処理技術を比較検証し、国内で初めてフード付ドラムカッタータイプの切削機「パッチプレーナー」を採用しました(※2)。これにより、優れた施工効率、高精度な切削深さと高品質な切削面を確保することに成功しました。

【現状の課題】
ダム越冬面など長期間放置となるコンクリート面に、新たなコンクリートを打継いで一体化するためには、打継面の表面処理に万全を期さなければなりません。ダム越冬面の水平打継面のチッピング処理は、従来、スパイキーハンマや人力、ウォータジェット等で行なっていますが、チッピング深さの管理や施工効率、騒音等の課題がありました。また、チッピング処理に対する切削機の採用は、最大骨材寸法80mmのダムコンクリートでは実績が無く、コンクリートへのダメージが懸念されました。
【新工法について】
西松建設は、福井県発注の河内川ダム建設工事(ダム本体工事)において、より良質な施工を目標に、国内で初めて(※2)油圧ショベルをベースマシンとしたフード付ドラムカッタータイプ切削機「パッチプレーナー」の採用を検討し、施工効率、骨材の浮き、チッピング(切削)面へのダメージ、騒音等について従来工法との比較検証試験を行ないました。
比較検証試験の結果、従来工法に比べ施工効率の向上や、チッピング表層部ひび割れの低減等が確認できたため、実施工においてチッピング深さ30mmの越冬面620m2(EL177.500、上流面310m2、下流面310m2)のチッピング処理を国内で初めて(※2)切削機「パッチプレーナー」で行ないました(写真-1、2)。切削機「パッチプレーナー」採用のメリットは、従来の工法と比較すると、以下のとおりです。
①  施工効率(時間当たりの処理面積)は、スパイキーハンマに比べ5倍以上
②  フードの位置を調整することで、切削深さ0~190mmを簡単に設定可能
③  施工数量によっては工程短縮ができ、トータルコストが削減可能
④ 大きな骨材も切削できるため、スパイキーハンマに比べチッピング(切削)面のダメージが小さく、打継面の品質確保に有効
⑤  騒音源のパワーレベルはフードにより、スパイキーハンマに比べ20dB程度減少
⑥  アスファルト路面切削機と比べ、狭隘な箇所の切削も可能


【今後の展開】
切削機「パッチプレーナー」は、これまで国内での利用分野が主に一般コンクリート構造物(最大骨材寸法20mm~25mm)の解体・切削等に限られていましたが、このたび、ダムコンクリートのチッピング処理においても、高生産性、高品質、コンクリートへのダメージ抑制等が期待できることが明らかになりました。
今後は、今回の施工経験を活かしてダムコンクリートのみならず、様々なインフラの補修分野のチッピング・切削に対して活用範囲の拡大を図り、生産性を高めながら、高品質・高精度な土木構造物を提供してまいります。

※1 チッピングとは、はつること。硬化したコンクリートの表面をのみ等で削り取り、粗面仕上げをすること。
※2 フード付ドラムカッタータイプ切削機「パッチプレーナー」(西ドイツerkat社製品)は、基本的に油圧ショベルをベースマシンとして、切削深さ管理が容易な切削機をバケットの代わりに取付けるものです。アスファルト舗装切削、一般のコンクリート切削等に実績がありますが、最大骨材寸法80mmのような骨材寸法が大きなダムコンクリートへの越冬面チッピングへの適用は国内で初めてとなります。(当社調べ)

 

写真-1 油圧ショベルをベースマシンとした切削機全景

 

写真-2 切削機内部とコンクリート切削状況