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2014年07月03日
AFRCセグメントの構造性能を確認

 西松建設(株)は、シールドトンネルの覆工に用いるセグメントにおいて、構造材としてアラミド繊維を混入したRCセグメント(AFRCセグメント)を開発し、配力筋量を1/4に低減しても、通常のRCセグメントと同等以上の曲げ耐力と変形性能を有していることを、構造実験で確認しました。


■ 背景
 近年、シールドトンネルの工事において、長寿命化およびライフサイクルコストの低減が求められています。しかしながら、都市のシールドトンネルは、地下水位の上昇、圧密沈下、大型地震などのリスクにさらされており、さらに施工条件でみても、大深度、低土被り、長距離高速掘進などのように、厳しいものが増えつつあります。
 このような条件を克服し得る技術として、例えば山岳トンネルの工事では、近年、剥落防止や地山の変動に対する追従性を期待し、繊維補強された覆工が増えています。繊維の素材は、鋼繊維のほかポリプロピレンやビニロンなどが用いられています。シールドトンネルの工事でも鋼繊維を混入したRCセグメントの適用が始まっていましたが、鋼繊維による錆の発生が課題でした。そこで、RCセグメントの新たな繊維補強として、軽量なアラミド繊維(写真1)を混入した錆の発生しないAFRCセグメントとした場合の構造性能を今回確認したところです。

写真1 アラミド繊維

 

■ 概要
 一般的なRCセグメント供試体(図1)をベースに、配力筋量(せん断補強筋)を1/4とし、アラミド繊維を0.5vol%混入したAFRCセグメント供試体(図2)を作成し、その構造性能をRCセグメント供試体と比較しました。RCセグメント供試体とAFRCセグメント供試体の概要を表1に示します。

図1 RCセグメント供試体

図1 RCセグメント供試体

図3 単体曲げ試験

 構造性能の比較(図3の単体曲げ試験による)の結果、AFRCセグメント供試体は、配力筋を1/4に低減したにもかかわらず、アラミド繊維によるせん断補強効果によりRCセグメント供試体と同等以上の耐力を有することが認められました。その他、降伏開始荷重が大きくなること、変形性能の向上も合わせて確認することができ、じん性の高いセグメントであると結論されました(図4・写真2)。

■ 今後の展開
 アラミド繊維は強度特性に優れ、錆が発生せず美観に優れるなどの利点があります。現状では、鋼繊維に比べて高価ですが、コストダウンが図られつつあります。
 ところで、当社には、別途開発した切削可能なセグメント(切削可能とするため、鉄筋に代わるガラス繊維性異形ロッドと軽量骨材を使用するセグメント)があります。軽量骨材を使用したコンクリートの引張強度は普通骨材を使用したコンクリートの約7割であるとされますが、これにアラミド繊維をAFRCセグメント同様に混入すると、ひび割れ発生荷重において普通骨材の場合と同等になることがわかっています。この例ように、今後もアラミド繊維の特性を活かした各種製品への応用展開を考えていく所存です。