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2014年08月07日
画像解析を利用したコンクリート中の塩化物イオン量の測定方法を開発

 西松建設(株)は、構造物の維持管理に役立つ技術として、佐賀大学 伊藤幸広 教授と共同で、画像解析を利用したコンクリート中の塩化物イオン量の測定方法を開発しました。本方法は、サンプル採取のために削孔した小径孔の孔壁面の画像を、微破壊調査で用いられる棒形スキャナで撮影し、その画像データからサンプル中の骨材量を推定し、塩化物イオン量の補正を行うものです。従来の方法に比べ、簡易に精度よく塩化物イオン量を測定することを可能にしました。


■ 概要
 本方法のフローを図1に示します。本方法は、ドリル粉末(サンプル)を採取した小径の孔を利用して行うものです。具体的には、ドリル粉末(サンプル)を採取した小径の孔に微破壊調査で用いる棒形スキャナ(φ25㎜)を挿入してスキャニングし、孔壁面の展開画像(写真1)を撮影します。その画像中の骨材面積を画像解析により求め、ステレオロジー理論により骨材量を推定します。そして、推定した骨材量からサンプル中の塩化物イオン量を補正するものです。
 図2は、NaClを混入した供試体を作製して、その精度を検証した実験結果の一例です。従来のドリル粉末のみを分析する方法(補正前)では、最大で2.0kg/m3程度の誤差が生じているのに対して、本方法(補正後)では最大でも誤差が0.5kg/m3と約1/4になっており、高い精度で測定できることが確認されました。なお、実験では深さ20㎜毎の塩化物イオン量を求めています。
 これまでは、補正値を求めるために時間やコストがかかるため、骨材量の補正は、実際にはほとんど行われていませんでしたが、本方法により、短時間で安価に塩化物イオン量を補正でき、より正確な塩化物イオン量を測定することが可能になりました。


■ 今後の展開
 当社では、画像解析を利用した技術開発を積極的に進めてきました。今後も、これまで養ってきた画像解析の技術を活かし、構造物の維持管理に貢献していきたいと考えています。

図1 画像解析を利用した塩化物イオン量の測定方法のフロー

写真1 骨材量の推定に用いる棒形スキャナの画像例(深さ20㎜毎に解析)

図2 補正前後の比較(NaCl混入量:5.0kg/m3