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2014年06月26日
副産物を高含有した低炭素型コンクリート「スラグリート」を開発

 西松建設(株)、戸田建設(株)の2社は、低炭素型社会の実現に向けた取組みとして、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末をセメント代替材として積極的に活用した低炭素型コンクリート「スラグリート」を開発し、この程、実機プラントでの製造や施工性などの性能検証を終え、実用化に目途をつけました。


■ 概要
 スラグリートは、セメント質量の最大90%を製鉄副産物である高炉スラグ微粉末のみで置換したセメント使用量の極めて少ないコンクリートです。高炉スラグ微粉末を高含有した配合に適した特殊混和剤を開発したことで、コンクリートのフレッシュ性状は適度な流動性と所要の経時保持性を兼ね備えており、強度や耐久性は普通コンクリートと同等レベルを得られます。また、コンクリート製造時の二酸化炭素排出量は、試算上、一般的な普通コンクリート(W/C=55%)と比較して約80%削減できます(図-1)。さらに、セメント使用量の大幅な削減により、セメントの水和反応で生じるコンクリート温度の上昇を抑制し、マスコンクリート構造物における温度ひび割れの発生リスクを低減できます。


■ 実機試験
 本コンクリートの実用性を評価するため、戸田建設(株)成田PC工場(千葉県成田市)の敷地内において、実際のコンクリート製造設備を用いた実機試験を実施しました。試験では、高炉スラグ微粉末をセメントに対して90%置換した中流動コンクリート(スランプフロー:350~500mm)の配合を作製しました。試験の結果、一般的なコンクリートよりもやや練混ぜ時間を要するものの、実機ミキサによる製造・供給が十分可能であることを確認しました。また、トラックアジテータによる運搬およびポンプ車ブームによる打込みなどの施工性も、普通コンクリートと同様の結果を得られました(写真-1)。なお、運搬に伴うコンクリート性状の経時変化を30分ごとにトラックアジテータから排出して確認した結果、製造から90分後のスランプフローの低下率はおよそ10%で、所要の性状を十分に満足していました(写真-2)。
 この他、1m角のブロックを試作し、型枠の脱型作業やコンクリート表面の仕上りなどを検証した所、材齢2日(平均気温:17℃)での圧縮強度は約10N/mm2を得られ、脱型作業は通常の作業レベル内で、良好な仕上りを確保できました(写真-3)。さらに、ブロック内部のコンクリート温度は、比較用に施工した普通コンクリート(スランプ12cm)に比べて、最高温度が10℃程度低く、温度ひび割れの発生防止に有効であることがわかりました。

図-1 コンクリート製造時の二酸化炭素排出量の比較

写真-1 ポンプ車を用いた打込み試験状況

写真-2 低炭素型コンクリートの経時性状確認結果(製造から90分経過)

写真-3 材齢2日で型枠脱型した試験体(1m角のブロック)