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2016年02月17日
低炭素型のコンクリート『スラグリート®』を開発

 当社は、戸田建設株式会社と共同で低炭素型のコンクリート「スラグリート®」を開発しました。また、国立研究開発法人土木研究所との共同研究成果として、設計・施工マニュアル(案)を整備し、土木研究所のホームページに公開しています。
 「スラグリート®」は、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末をセメントの代替として積極的に活用した低炭素型のコンクリートであり、セメントの使用量を極限まで低減したことで、マスコンクリート構造物における温度ひび割れの発生リスクを低減することができます。

写真-1 高炉スラグ微粉末

1.開発の背景
 地球温暖化対策として、各分野でCO2 排出量の削減に向けた取組みが進められています。建設分野においても、環境負荷の少ない構造物の実現を目指す中で、低炭素型のコンクリートが注目されています。

2.本製品の特徴
 「スラグリート®」は、セメント質量の70~90%を高炉スラグ微粉末で置換したセメント使用量の極めて少ないコンクリート(一般の高炉セメント(JIS 製品)はスラグ置換率40%程度)であり、以下の特徴を有します。

①一般コンクリート(呼び強度 27 N/mm2 程度のコンクリート)に比べて、コンクリート製造時におけるCO2 排出量を70%程度、削減することができます。

②高炉スラグ微粉末を大量に用いた場合にも、専用の特殊化学混和剤を加えることで、所要のワーカビリティ(施工性)を確保することが可能です。

③強度発現性能や耐久性能も一般コンクリートと同等以上です。

④セメント使用量を大幅に削減した結果、セメントの水和反応で生じるコンクリート温度の上昇を抑制し、マスコンクリート構造物における温度ひび割れの発生リスクを低減できます。

⑤コンクリートの値段は生コンクリート工場の設備や地域(スラグ製鉄所からの距離)等によって変動しますが、スラグ置換率70%程度の場合は一般コンクリートとほぼ同等です。

 

3.設計・施工マニュアルの整備
 設計・施工マニュアル(案)は、設計上の留意点や製造、施工時における一般コンクリートとの差異等について記載しており、構造物の設計やコンクリートの製造、施工に関わる実務者にとって、分かりやすい内容としています。

4.温度ひび割れの解析事例
 橋脚を対象とし、同一形状・同一環境条件下において、スラグリートと一般コンクリートによる温度ひび割れ発生リスクを比較した解析事例を図-1に示します。赤色に近いほど温度ひび割れリスクが高く、白~青色に近いほど温度ひび割れリスクが低いことを表しています。スラグリートは一般コンクリートと比較して発熱量が小さく、温度ひび割れ発生リスクが低いことを確認できます。

図-1 橋脚の温度ひび割れ解析事例
最小ひび割れ指数分布図(左:スラグリート、右:一般コンクリート)

 

5.今後の展開
 今後、低炭素型社会への取組みの一つとして積極的に技術提案していきます。同時に、マスコンクリート構造物等における温度ひび割れ対策として現場適用していきたいと考えています。

◆設計・施工マニュアル(案):共同研究報告書第475号
   低炭素型セメント結合材の利用技術に関する共同研究報告書(Ⅴ)
   高炉スラグ微粉末を高含有した低炭素型のコンクリートの設計・施工マニュアル(案)
   国立研究開発法人土木研究所・戸田建設株式会社・西松建設株式会社
◆国立研究開発法人土木研究所ホームページの「土木研究所刊行物」のページから閲覧可
   http://www.db.pwri.go.jp/pdf/D8927.pdf