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2015年04月09日
「マイクログリッドシステム」の制御システムを構築 ~再生可能エネルギーの有効利用への取組み~

 当社は、再生可能エネルギーの有効利用への取組みのひとつとして、独自の制御システムを備えるマイクログリッドシステムを開発し、その実証として愛川技術研究所で稼動させています。

■    実証用システムの概要
 マイクログリッドシステムとは、複数の分散型電源(消費する場所やその近傍に配置する太陽光発電・風力発電・コージェネレーション・燃料電池などの発電設備および蓄電設備)を組合せて電力供給の安定化を図り、系統電源の供給を最小限に抑えて運用する小規模なエネルギー供給システムです。
 再生可能エネルギーを積極的に利用しながら、施設・ビル等のエネルギー需給の効率化、エネルギーコストの削減、緊急時の電源確保、環境負荷の低減など複数の効果が期待できると言われています。
 当社は、このマイクログリッドシステムにおいて、分散型電源から特定した負荷への電力供給調整に複雑な演算予測を用いず、シンプルな運転制御で省エネ効果が期待できる独自の制御システムを考案し、イニシャルコストを抑えることを目標とした実証システムを開発しました。これを、愛川技術研究所で平成25年4月から長期連続稼動させています。
 同システムでは、分散型電源(太陽光発電設備・コージェネレーション設備・蓄電池)と系統電源を組合せた供給サイドと、今回特定した負荷(照明機器・空調機器)から成る消費サイドを、各機器の持っている情報でネットワーク化しています。このようにネットワーク化することで、変動する需給量を常時監視し、分散型電源の電力を特定した負荷の中から分配可能な接続先を選定して供給できるようになります。

図1 マイクログリッド実証システム

 

【実証システムのおもな機能】  
①    系統電源での電力供給の抑制
太陽光発電を最大限利用して電力を供給し、系統電源の供給量を抑えます。
②    電力供給の安定化と排熱利用
天候により出力が不安定な太陽光発電と、天候に左右されないコージェネレーションを組合せることで、電力供給を安定化します。加えて冬季ではコージェネレーションの排熱を有効利用した約65℃の温水を供給します。
③    ピーク電力の抑制
蓄電池を併用し、系統電源のピーク電力を抑えます。
④    電力の「見える化」
分散型電源、特定した負荷および系統電源の電力状況を常時計測、監視します。
⑤    緊急時の電力供給
停電時は太陽光発電を自立運転に切替え、非常用電力を供給します。

■    実証システムに搭載した制御システム
 制御システムは、次の「計測・監視」「運転制御」「電力需給管理」の3要素で構成しています。  
1.計測・監視
分散型電源、特定した負荷および系統電源の電力状況(電流・電圧・電力・電力量・周波数ほか)について、運転制御に必要な電路を電力測定器で常時計測、監視しています。また、電力網における設備機器の接続状況や運転制御の通信状況なども監視しています。
2.運転制御
計測・監視する分散型電源と系統電源の電流データ等から、特定した負荷の接続をON・OFF制御して電力需給のバランスを調整する、シンプルな運転制御を採用しています。制御用PCから電力需給を最適化する指令を電力供給制御コントローラに送信し、運転制御を行います。自動運転プログラムでは、太陽光発電にコージェネレーションを併用して稼動し、太陽光発電での電力の供給が不足する場合、コージェネレーションが補完して電力を供給する制御を行います。
3.電力需給管理
電力網の需給状況を確認するため、分散型電源の発電電力量(kWh)、コントローラの供給電力量(kWh)、特定した負荷の消費電力量(kWh)を30分単位のデータで収集して表示、管理します。

図2 システム管理画面の一例

 

■今後の展開
 実証システムに搭載した制御システムのうち、「計測・監視」の要素を、近日建替え予定の当社社宅・独身寮(出力40kWの太陽光発電を併設)における需給状況のモニタリングとして導入予定です。そこで得られるデータは今後のマイクログリッドシステムの性能向上にフィードバックします。また、愛川技術研究所の実証システムは引続き稼動させて、システムの有効性を確認するとともに、自動運転機能の改良を継続し、年間を通じたグリッドの安定性の向上、システム出力の効率化、操作性の向上などを図っていきたいと考えています。