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2015年07月08日
ドリルジャンボを使用したコアボーリングシステム「Core-DRISS」を開発 -施工機械を使用して切羽前方の地山コアを迅速かつ連続的に採取-

 当社は、山岳トンネルにおける汎用施工機械であるドリルジャンボを用いて、切羽前方の地山コアを迅速かつ連続的に採取可能なコアボーリングシステム「Core-DRISS」を開発しました。
 Core-DRISSは、コア抜きが可能な特殊ビット、削孔時にコアを採取するコアチューブ等で構成されており、それらを用いて長尺削孔を模擬したコアボーリング実験を実施した結果、軟~硬岩の広範囲の岩盤性状において、連続的に約30mのコア採取が可能であることを確認することができました。

■背景
 山岳トンネルの掘削時において、切羽前方の地山性状を把握するための有効な調査手法の一つにコアボーリング調査があります。この手法では、専用のボーリング機を使用して回転削孔による地山試料(コア)採取を行うことが一般的です。その場合には調査実施毎に切羽にボーリング調査のための仮設備を設置する必要があり、回転削孔作業にも長時間を要する等の課題がありました。
 このため、汎用の施工機械で迅速かつ連続的にコア採取が可能なボーリング手法の開発が望まれていました。

■概要
 Core-DRISSは、ドリルジャンボに搭載されている回転打撃式の削岩機の使用を前提で構成されています(写真-1)。その主な構成は、ビット前面にφ50mmの開口部を持つ特殊ビット(センターホールビット)、削孔時にコアを収納するコアチューブ、コアチューブの設置・回収が可能なφ89mmの大口径削孔ロッドおよび削孔ロッドを残置したままワイヤーでコアチューブを回収するための治具(コアチューブヘッド、オーバーショット)等となっています(図-1参照)。
 Core-DRISSによるコア採取は以下の手順で行われます。また,図―2に各手順の模式図を示します。
  ①ビットが装着された先頭ロッド内にコアチューブをセット
  ②ドリルジャンボで1m区間を削孔し、コアチューブ内にコア試料を取り込む
  ③ワイヤ-を取付けたオーバーショットを挿入し、コアチューブヘッドを把持
  ④ウインチでワイヤーを巻き取ってコアチューブをロッド内から回収後、コアチューブ内のコア試料を取り出す
  (写真-2参照)
  ⑤削孔ロッドを継ぎ足して①の作業へ
 この作業サイクルを1m削孔毎に繰り返すことにより、削孔ロッドを引抜くことなくコアを連続的に採取することができます。
 Core-DRISSの適用性を確認するため、異なる力学的性状を持つ複数の供試体を用いて30mの連続コアリングを模擬した削孔実験を実施しました(写真-3参照)。供試体は、軟岩を模擬した一軸圧縮強さが10~20MPa程度のモルタル、一軸圧縮強さが180MPa程度の花崗岩および掘削中のトンネル現場から採取した固結度の低い砂層を使用しました。実験の結果、何れの供試体においても良好なコアの採取が可能なことを実証しました。(写真-4参照)
 Core-DRISSの特長を以下にまとめます。
●施工性
トンネル掘削に使用されているドリルジャンボをそのまま使用して、切羽前方30m程度のコアボーリングが可能であり、専用の削孔機・人員を必要としません。
●工程・コスト
回転打撃による高速削孔に加えてワイヤーライン工法による連続的なコア採取が可能であり、従来の回転削孔式のコアボーリングと比較して50%程度の大幅な作業時間の短縮とともに25%程度のコストダウンも見込まれます。
●適用性
・ドリルジャンボの使用により、切羽周辺・前方のあらゆる方向へのコアボーリングが可能であり、2~3か所のボーリングを同時に行うこともできます。
・既往の削孔データを使用した地山評価手法(当社開発品DRISS等)と併用することにで、より詳細な調査が可能となります。
・採取したコア試料を分析することにより、例えば切羽前方地山中に重金属等が含まれるか否かの評価にも利用できます。

■今後の展開
 今後は、Core-DRISSの上記特徴を活かして様々な条件下のトンネル現場に積極的に展開し、システムの継続的な改良を進めていきたいと考えています。

写真-1 ドリルジャンボに取付けたCore-DRISS

図-1 Core-DRISSの主な構成品

図-2 各手順の模式図

写真-2 回収したコアチューブからのコア取出し

写真-3 模擬実験の状況

写真-4 採取したコアの状況