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2015年06月17日
鉛等を含有する掘削土の簡易型土壌洗浄技術を開発 -特殊薬剤を用いた鉛等の重金属類の抽出除去処理技術を確立-

 当社は、鉛を含む掘削土(汚染土壌)の簡易型土壌洗浄技術を開発しました。本技術は、従来の土壌洗浄プラント(分級洗浄処理)のような大掛かりな装置が不要で、掘削土に含まれる鉛等の重金属類を特殊薬剤によって溶解・溶出を促進させることにより、土壌洗浄処理を簡易的に行うことを可能にするものです。
 今回、ラボ実験および小規模実証実験によって、鉛汚染土が、特殊薬剤を用いた溶解・溶出の促進により土壌環境基準以下まで低減できることを確認し、簡易型土壌浄化処理に関する基礎技術を確立しました。今後、実現場への試験適用を行いながら知見を積み重ね、実用技術としての完成を目指していきます。


■背景
 平成22年の土壌汚染対策法の改正により、汚染土壌の拡散を伴う掘削除去・場外処分を抑制する方向となり、オンサイトで浄化できる処理技術の需要が高まりつつあります。
 オンサイトで鉛等の重金属類を含む掘削土を浄化処理する場合、従来技術として汚染土壌を機械的に洗浄の上ふるい分け、有害重金属が主に吸着している細粒分を分離・除去する分級洗浄法があります。しかしながら、分級洗浄法では、物理的に汚染土壌を粒度毎にふるい分ける必要があるため、スクリーン、ベルトフィーダー、サイクロンユニット等の機械設備を多く必要とすることから、処理土壌の量が少ない場合はイニシャルコストの面で必ずしも最適とはいえないものでした。また、機械設備の占有面積が広大になることで狭隘な土地での適用性に欠けており、オンサイトでの適用が限定的となる場合が多く見られました。
 西松建設は、上記のような、狭隘なサイトで適用する際の分級洗浄法のデメリットを解消し、掘削除去に頼らないオンサイト浄化処理の適用性を拡大してニーズに答えるものとして、狭隘な土地でも適用が容易な「簡易型土壌洗浄技術」を開発しました。本技術を適用した場合、掘削除去による場外処分と比べ、処理費用で4割程度削減することが可能です。


■概要  本技術は、従来の土壌洗浄法のように有害重金属が主に吸着・濃縮している細粒分を分離・除去することなく、掘削土に含まれる鉛等の重金属類を特殊薬剤により溶解・溶出させた後、抽出・除去を行う浄化処理です。次項に、処理フローの概念図(図1)と技術の特徴を示します。

図1 処理フローの概念図

 

<技術の特徴>
・特殊薬剤による溶解・溶出を抽出・除去の原理とするため、大掛かりな機械設備を必要とせず、比較的処理土壌の少ないサイト(1,000m3未満)において、従来の分級洗浄工法に比べ費用対効果が高い
・装置がフレコン、水槽、濁水処理装置のようなシンプルな構成なため、従来の分級洗浄工法の機械設備が設置できないような狭隘なサイトでもオンサイト浄化が可能

<処理の手順>
・(STEP Ⅰ)鉛等の重金属類を含有する掘削土をフレコン詰めします
・(STEP Ⅱ)特殊薬剤を注入した水槽内にフレコンを浸漬し、フレコン中の掘削土から鉛を薬剤に移行(抽出)させます
・(STEP Ⅲ)抽出処理後のフレコンは、水槽から特殊薬剤を排水した後、水道水によってすすぎ洗いを行い、土壌に付着している余分な特殊薬剤や鉛等の重金属類を洗浄除去します
・(STEP Ⅳ)水槽からフレコンを取り出し、基準適合を確認の上、浄化土として埋め戻します

 今回、ラボ実験および小規模実証試験を行い、その結果、本技術を用いると鉛汚染土壌を土壌環境基準に適合するまで鉛を簡易的に抽出除去できることが確認されました。

 

■今後の展開
 今回開発した特殊薬剤を用いた簡易型土壌洗浄技術を、燃料油取扱い施設など鉛等の重金属類の汚染が見込まれる狭隘なサイトにおいて積極的に提案を行い、本技術の適用実績を積み重ねつつ更なる改良を行って参ります。