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2016年06月15日
トンネル坑内で迅速に展開・収納が可能な 「移動式発破防護バルーン」を開発 -トンネル掘削のサイクルタイムの大幅短縮-

 当社、ジオマシンエンジニアリング(株)(社長:塚田純一)、(株)東宏(社長:小林雅彦)は、トンネル坑内の任意の場所で展開・収納が可能な「移動式発破防護バルーン」を開発しました。

 発破作業時に本装置を切羽付近に設置することで、飛び石の影響を切羽付近に限定させることができます。これにより、連続ベルトコンベヤシステム等の掘削ずりの搬出設備を今までより切羽近傍に配置することが可能となり、ずり処理時間を大幅に短縮させることが期待されます。

 

■ 背景

 最近の長距離山岳トンネルでは、高速掘進を目指して連続ベルトコンベヤシステムによるずり搬出方式が採用される場合が多くなってきています。しかし、発破掘削の場合には飛び石による損傷を避けるため、連続ベルトコンベヤシステムの先頭設備(クラッシャー)を切羽から50m程度以上離して配置する必要がありました。そのため、ホイールローダーによる切羽からクラッシャーまでの一次ずり運搬距離が長くなってしまい、これが掘進速度の低下の一因となっていました(図1(a)参照)。このような背景から、クラッシャーに飛び石が届かないようバルーンで防護し、待避離隔を短縮することによって、一次ずりの運搬距離の短縮を可能とする、発破防護装置「移動式発破防護バルーン」を開発しました(図1(b)参照)。

 

■ 概要

 移動式発破防護バルーンは、発破による飛び石を切羽付近に封じ込めるためのバルーン部(トンネル断面積×厚さ1m)と、バルーン部をトンネル坑内で効率的に展開・収納するためのフレーム部により構成されています。掘削サイクルの中で発破時のみに使用するため、この装置を2tトラックに搭載することで、任意の位置で簡単に展開・収納が可能な仕様としています(写真1参照)。

 トンネル坑内における一連の作業を模擬したバルーン展開・収納実験を行った結果、展開に4分程度、収納に3分程度の所用時間を要しますが、本装置の使用による施工サイクルへの影響はほぼ無いことを確認しました(写真2参照)。

 移動式発破防護バルーンの特長は以下のとおりです。

●トンネル坑内の設備を常に切羽近傍に配置

 ・バルーン部で発破の影響を切羽付近に封じ込めることにより、クラッシャーをはじめとしたトンネル坑内の設備を今までより切羽近傍に配置させることが可能です。

●設置や撤去が容易

 ・本装置は車載式のため、トンネル坑内の任意の位置に持ち込むことが容易です。

 ・掘削作業の妨げにならないよう、短時間で展開・収納することが可能です。

●安定かつ迅速な作業

 ・格子状のフレーム部で面的に支持することにより、バルーン部が安定した姿勢で展開されます。

 ・複数の給排気システムをバルーン部の最適な箇所に配置しており、迅速に展開・収納することが可能です。

●切羽付近で使用するための耐衝撃性

 ・バルーン部の切羽側にアラミドシートを加えるとともに、フレーム部にダンパー機構を設けることで、発破時における装置の耐衝撃性を向上させています。

●発破直後の粉じん・後ガスの拡散を低減

 ・発破時に発生した粉じん・後ガスを切羽付近に封じ込め、トンネル坑内への拡散を低減します。

 ・バルーン部の一部のみを開放して、伸縮風管を差し込み、封じ込められた粉じん・後ガスを効率良く除去することが可能です。

 

■ 今後の展開

 今回開発した「移動式発破防護バルーン」は当社施工中の長距離トンネルへ導入する計画です。今後は実利用を通じて耐久性を確認しながら、継続的な装置の改良を進めていきたいと考えています。