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2016年06月22日
直径10mmの孔でコンクリート内部を調査できる 「ストラクチャースコープ」を開発

当社は,佐賀大学伊藤幸広教授と共同で,直径10mmの孔でコンクリート内部のひび割れや空隙などを調査する「ストラクチャースコープ」を開発し,実構造物の調査に使用しました.

ストラクチャースコープは,直径10mmの小径の孔を削孔するだけで,鉄筋を切断することなく,容易にコンクリート内部を調査することが可能な技術です.

 

■背景

 劣化したコンクリート構造物の補修・補強には,劣化原因を正確に診断することが重要であり,これまではコンクリート表面のひび割れパターン等から,劣化原因を診断することが一般的でした.しかし,より正確に劣化原因を診断し,構造物の適切な補修・補強を行うために,鉄筋を切断することなくコンクリート内部を容易に調査できる技術の開発が求められていました.

 そこで,当社では,佐賀大学伊藤幸広教授と共同で,直径10mmの孔でコンクリート内部の調査が可能な「ストラクチャースコープ」を開発しました.

 

■技術の概要

ストラクチャースコープは,プローブ(先端にカメラを内蔵),本体,モニターで構成されています.(写真―1)プローブを直径10㎜の孔に挿入し,コンクリート内部のひび割れや空隙の状況等を観察することができます.

 写真―2に調査状況,写真―3に撮影した画像の一例を示します.

 

■技術の特長

①構造物に優しい:

 一般のコア抜きによる調査では,削孔の際に鉄筋を切断することがありました.ストラクチャースコープは,直径10mmのドリルで削孔した孔で調査が可能なため,鉄筋を切断することなくコンクリート内部を調査できます(写真-4に調査孔の比較を示します).

②コンクリート内部のひび割れ幅の測定が可能:

 コンクリート内部にひび割れがある場合,コア抜きによる調査では,抜き取ったコアがバラバラに分離してひび割れ幅がわかりませんでした.ストラクチャースコープはプローブ先端に内蔵したカメラでコンクリート内部を直接観察・記録ができ,記録した画像を解析することにより,微細なひび割れの幅(最小測定ひび割れ幅:0.1mm)を測定できます.

③作業性に優れる:

 ストラクチャースコープは,小型軽量(重さ:約1.3kg)のため調査の作業性に優れます,また,これまでの技術では,削孔のためにコアドリルが必要でしたが,ストラクチャースコープを用いた場合,調査のための孔が10㎜と小さいため,ハンドドリルで削孔が可能になりました.

④リアルタイムで調査が可能:

 ストラクチャースコープは,リアルタイムでコンクリート内部の状況を調査できます.また,ストラクチャースコープのモニターは回転可能なため,下向き,水平,上向きでも,画面が見やすい構造になっています.

⑤多くのデータを入手可能:

 調査では小径(直径10mm)の孔を使用するため,構造物への影響が小さく,コア抜きに比べ多くの調査点を取れ,より多くのコンクリート内部の情報を入手できます.

 

■今後の展開

当社では,ストラクチャースコープを始め,画像データから構造物の調査・点検を行う技術を積極的に研究開発しています.今後も,画像データを用いた新技術の開発を進めていく予定です.