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2016年06月08日
微細気泡を用いたVOC含有排水の高効率ばっ気処理装置を開発

-マイクロ/ナノポーラスセラミック膜で発生させた微細気泡による
ばっ気処理技術を確立し処理性能を向上-
 

当社は、京都大学大学院(エネルギー科学研究科 日下英史助教)と共同で揮発性有機化合物(以下VOC)を含有する地下水または工場排水を対象とした微細気泡による高効率ばっ気処理装置を開発・実用化しました。本技術は、マイクロ/ナノポーラスセラミック膜(以下セラミックモジュール)によって発生させた微細気泡により、排水中に溶存しているVOCを分離・除去(ばっ気処理)する技術です。従来のばっ気処理で使用している気泡サイズよりも微細な気泡(1mm未満、発生時)を使用することで、高効率のばっ気処理効果を実現しました。本装置は現在、VOC含有排水を排出する事業所において稼働中です。

■    背景
VOCを扱う工場の排水またはVOCで汚染された地下水の浄化を行う場合、ばっ気処理は空気を送
気するブロワー、処理水槽および活性炭等のオフガス処理槽があれば、比較的簡単かつ低コストに処理できるため、VOC汚染水または排水の浄化装置として広く普及しています。しかしながら、目標処理濃度(管理基準)がシビアな場合、または処理容量を大きくしたいときは、設置面積の大きい処理水槽を複数個設置する必要があり、設置スペースに制限のある工場内や、狭隘なVOC汚染サイトにおいて、更に処理性能を向上させたい場合に限界がありました。

■    詳細
従来のばっ気処理では、ブロアーで送気されたエアーを散気菅またはエジェクターポンプを通して発生させた気泡によって、液相のVOCを気相へ分離(気液分離)して除去を行いますが、気泡サイズは1mm以上(ミリバブル)と比較的大きいものでした。そこで我々は、より小さいサイズの気泡を、セラミックモジュールを使用して発生させた1mm未満の微細気泡を使用することで、VOCの気液分離効率を大きく向上させることに成功しました。

<本装置の特徴>

微細気泡を発生させるセラミックモジュール(Φ=27.2mm、L=500mm)は6本で1ユニット(処理ユニット)を構成し(写真1)、大きさもコンパクトです(W×L×H=280mm×640mm×600mm)
処理性能は、コンパクトな処理ユニットの設置数に応じて自由に調整可能です
既存のばっ気処理装置に処理ユニットを水槽内に追加・設置することで、処理装置を複数設置することなく処理性能を向上させることも可能です(3m3水槽の既存ばっ気処理装置に3ユニット追加した場合、最大約3倍の処理性能向上を実証実験で確認)


 なお、本技術による処理フローのイメージを図1に示します。

写真1 処理ユニット本体(セラミックモジュール6本)

 

図1 処理ユニットによるVOC汚染水のばっ気処理フロー

 

■    今後の展開

今回開発した処理ユニットは、VOCの気液分離がセラミックモジュール内で行われるため、ばっ気処理水槽の外に処理ユニットを設置することも可能であり、最小限度の設置面積で処理能力を向上させることも可能です。本装置は、VOC含有水を排水する事業所において稼働中であり、本技術の更なる普及に努めてまいります。