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2016年07月01日
優れた耐酸性と耐熱性を有する低炭素型材料 「ジオポリマーコンクリート」の現場施工に成功 ~現場練り型ミキサを用いた施工方法を確立~

 当社、㈱大林組(社長:白石達)、大阪ガス㈱(社長:本荘武宏)は共同で、優れた耐酸性と耐熱性を有し、製造過程で排出するCO2量が少ない「ジオポリマーコンクリート」*1を施工現場で打ち込む方法を確立し、今回日本で初めて現場で施工することに成功しました。

 ジオポリマーコンクリートとは、産業副産物であるフライアッシュ(石炭灰)を使用した次世代のコンクリートです。通常のセメントコンクリートに比べて、耐酸性・耐熱性が高く、下水道関連施設などの酸が発生する環境下や、製鉄所など高温となる環境下での活用が期待されています。また、通常のセメントコンクリートと比べて製造過程で発生するCO2量を80%程度削減でき、環境性の面でも普及が望まれています。

 しかし、ジオポリマーコンクリートは固まり始める時間が早く、製造プラントから施工現場までの運搬が困難であること、粘性が高くミキサの洗浄が困難であること、十分な強度を出すために高温で固める必要があることなどから、施工現場で打ち込むことが難しく、工場で製造する二次製品のみで活用されていました。
 


今回、三社は、以下の技術開発により、ジオポリマーコンクリートの施工現場での打ち込みに成功しました。
1.特殊配合ジオポリマー溶液の開発
ジオポリマーコンクリートの材料であるジオポリマー溶液について、コンクリートが固まり始める時間を延ばすことができる「特殊配合ジオポリマー溶液」を開発しました。これにより、固まり始める時間を従来の1.5倍程度まで延ばすことができました。


2.使用材料のプレミックス化
「特殊配合ジオポリマー溶液」以外の材料について、あらかじめ混合した「プレミックス材」として現場搬入することで、計量など煩雑な現場作業を省略し、施工時間の短縮を図りました。


3.現場練り型ミキサの採用
コンクリートをプラントで製造して施工現場まで運搬するのではなく、現場練り型ミキサを用いて現場で直接ジオポリマーコンクリートを製造する方式を採用したことにより、打ち込みに必要な作業時間を確保することができました。また、ミキサのドラムの内側をゴム製シートで覆うことで、練り混ぜ後の洗浄も容易になりました。

4.常温で固化する配合の確立
ジオポリマーコンクリートを構成する材料の混合割合を最適化することで、高温で固めることなく、常温(20℃)環境下でも24時間で10N/mm2、28日でセメントコンクリートと同等の24N/mm2以上の強度が得られるようになりました。

三社は低炭素社会の実現に貢献していくために、今後も実用化に向けた技術改良に取り組み、施工現場での打ち込みが可能なジオポリマーコンクリートの普及を進めてまいりたいと考えています。

*1ジオポリマーコンクリート
産業副産物である「フライアッシュ」、「高炉スラグ微粉末」、水ガラスを主成分とする「ジオポリマー溶液」などを材料とする新しい低炭素型材料です。ジオポリマーコンクリートで構造物を建設した場合、セメントコンクリートで建設した場合と比較して二酸化炭素排出量を80%程度削減できると試算されており、次世代のコンクリートとなる可能性を有しています。ジオポリマーコンクリートの特長は以下のとおりです。
①セメントで構造物を建設する場合に比べ、配合条件等によってはCO2排出量を80%程度削減できる。
②フライアッシュや高炉スラグ等の産業副産物の有効利用が図れる。
③成分にCaが少ないため,酸に対する抵抗性が高い。
④耐熱性能に優れる。
これまでは、ジオポリマーコンクリートの打設可能時間が短いなどの理由から、工場製品を対象に開発が進められていました。工場で作製されたジオポリマーコンクリート製品の施工事例としては、ジオポリマーコンクリートの耐酸性能が高いことから、温泉地域の強酸性地盤での境界ブロック等に活用されています。