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2016年07月21日
都市ごみからのエネルギー回収システム 乾式メタン発酵技術を確立

 当社は、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター・農学研究院(清水直人准教授)と共同で、都市ごみからエネルギーを回収するシステムとして、乾式メタン発酵技術に着目し、安定的なメタン発酵を維持するためのシステムを確立しました。

 都市ごみからエネルギーを回収するシステムとして、再利用率が全国的に低い食品残渣(生ごみ)を主体とし、紙、刈草、剪定枝など、他の都市ごみを利用した混合処理による研究を進めてきました。その結果、生ごみと紙ごみの乾式による混合発酵は、各々の単独発酵よりも多くのバイオガスが得られ、種々の発酵阻害を好適に抑制可能であることがわかりました。生ごみと紙ごみの乾式による混合発酵の結果により試算すると、バイオガスの回収量は、ある一定の条件下において、環境省が定める高効率メタン回収プラントの基準(バイオガスの回収率が、ごみ1トンあたり150Nm3)の約2倍を超える高効率なものとなりました。
 環境経営先進企業を目指す西松建設では、今回確立した乾式メタン発酵による都市ごみからのエネルギー回収システムの早期実用化に向け積極的に取り組むとともに、低炭素社会ならびに循環型社会に寄与していきたいと考えています。

■ メタン発酵
 メタン発酵は、家畜ふん尿や下水道汚泥などの有機物を嫌気的条件下で微生物に分解させてメタンガスを生成させる方法です。発酵温度によって中温発酵(37℃付近)と高温発酵(55℃付近)があります。また、発酵原料の固形物濃度が10%未満の液体で発酵させる湿式法と、固形物濃度が20%程度のスラリー状態で発酵させる乾式法があります。現在、国内でのメタン発酵は、ほとんどが湿式法で行なわれていますが、乾式法は多様な固形物(紙、刈草、剪定枝)の混合処理が可能なことから、今後の普及が期待されている方式です。

■ 主な特長
 ・乾式メタン高温発酵を採用することで、発酵残さ(消化液)の排水処理のための付帯設備を必要とせず、排水の放流が困難な立地条件でも設置可能
 ・生ごみに紙ごみを混合することで、より多くバイオガスを回収可能(高効率なバイオガス回収)
 ・紙ごみ以外の都市ごみとして、刈草や剪定枝なども利用可能
 ・紙ごみの混合量により、種々の発酵阻害を制御可能


■ 今後の展開
 現在、北海道大学の北方生物圏フィールド科学センター内に、小型の実験設備(バイオエネルギープラットフォーム)を整備し、発酵原料に実際の大学食堂から発生する生ごみと、学内で廃棄される紙ごみを用いたフィールドテストを行っています。このフィールドテストにおいて、ラボ実験で確立した発酵システムによる高効率なバイオガス回収を実証するとともに、発酵残さの乾燥・固形燃料化等の後処理技術についても検討し、都市ごみからのエネルギー回収システムの早期実用化を目指します。