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2016年11月14日
CIMを用いた高精度な地質予測を山岳トンネルに適用

当社は、事前地質調査を用いた3次元地質モデルと各種前方探査、施工データ(切羽観察簿、切羽写真、内空変位測定結果等)を一元管理し、高精度な地質予測、評価が可能なCIM(Construction Information Modeling)を構築し、愛知県内と高知県内の山岳トンネルの2現場で有効性を確認しました。
構築したCIMは、水平、横断等任意の断面を表示可能なため、「断層等がどの様に切羽に接近してくるか」や「切羽のどこから出現するか」と言ったより詳細な地質予測が施工前に検討できます。また、切羽観察や前方探査結果等様々な施工データを取り込めるため、施工中の断層等の出現位置を当初設計と比較、見直すことを繰り返し行なうことにより高精度な地質予測が可能となり、その地質予測を次施工にフィードバックすることで、施工全体の生産性・安全性向上に寄与します(図-1)。

■ 背景
山岳トンネルの工事では、地山崩落防止のために地質予測と地質情報のフィードバックが重要となります。地質予測と地質情報の管理方法は、トンネルモデルと切羽観察等の施工データを紐付ける方法が多く採用されています。最近では、前方探査記録を活用して施工中に地質予測する方法も報告されていますが、施工後のデータを紐付けて管理する方法と比べてまだ多くありません。
そこで当社は、高精度な3次元地質モデルが構築可能なソフト「Geo-Graphia※1」を用いて自社技術のDRISS※2をはじめとした各種前方探査結果、施工データと統合することで、より高精度な3次元地質の予測、見直しが可能なCIMを構築しました。

※1 Geo-Graphia:株式会社地層科学研究所で開発された地質モデルの構築・施工記録を3次元で一元管理可能な
ソフトです。
※2 DRISS(Drilling Survey System):油圧削岩機による岩盤の穿孔時において、各種作動油圧や穿孔速度の変化などから、切羽前方の穿孔区間の地山性状を定量的に評価・予測する探査手法で、西松建設が開発した技術です。


■ 当社のCIMの効果
当社のCIMは、「Geo-Graphia」にて高精度な3次元地質モデルの構築および各種施工データを取り込み一元管理できることから、各施工段階で以下の効果が得られます。
① 施工計画では、地質や層群等に細分化した3次元地質モデルをもとに、任意の断面を表示し、切羽への断層等の接近、出現位置を事前に把握して適切な施工方法を検討できます。
② 施工中では、各種前方探査結果、掘削後に得られる切羽観察等の実際の地質データから当初設計の地質予測を見直すことで、より高精度な地質予測を図ることができ、施工方法の再検討による生産性、安全性の向上に寄与します (図-2)。
③ 竣工時は、測点毎に施工データを管理しているため、施工全体の品質のトレーサビリティが確保でき、また画像等の詳細な記録を残すことで引渡し後の維持管理で役立ちます。

■ 今後の展開

当社では山岳トンネルのほか、シールドトンネルやダム、一般土木構造物についても適用現場を選定して、現在試行を実施しており、各工種の特有のCIMを検討し広く適用を展開して行く予定です。また、国交省が推進しているi-Constructionに関るICT技術についても現場へ積極的に適用し、生産性向上、省力化に向けた取組みを推進していきます。

 

図-1 CIMによる山岳トンネルの運用・管理フロー

 


図-2 各施工データを一元管理したCIMの構成例