NEWS & TOPICS
新着情報

2017年06月26日
トンネルの変位を迅速かつ面的に計測可能な『車載式トンネル3Dスキャニングシステム』を開発-3Dレーザースキャナを車載することで計測時間を1/6程度に短縮-

当社とマック株式会社(千葉県市川市 社長:宮原宏史)は、トンネルの変位を迅速かつ面的に計測可能な『車載式トンネル3Dスキャニングシステム』を開発しました。
本システムでは、3Dレーザースキャナ等の機器一式を計測車に搭載することで、山岳トンネルにおける内空変位計測を速やかに行うことを可能としています。機器一式を計測の度に設置する従来手法と比較して、計測時間を1/6程度に短縮することができます。

■ 背景
山岳トンネルにおける内空変位計測の手法として、トータルステーションを用いた計測が広く採用されていますが、この手法は計測精度が良い反面、20m程度の間隔で実施されるため、トンネル壁面の部分的な変位しか把握できません。
壁面の全体的な変位を補完的に把握する手法として、3Dレーザースキャナで壁面全体の形状を繰り返し計測し、その差分から変位量を算出する手法が挙げられます。しかし、この手法では、3Dレーザースキャナを始めとした機器一式を計測の度に設置し、手動で操作するため、40分程度の計測時間を要します。そのため、掘削作業の合間の計測が困難な場合が多く、日々の計測には不向きであるという問題があります。

■ 本システムの概要と特長
『車載式トンネル3Dスキャニングシステム』では、3Dレーザースキャナやプリズム内蔵型基準球等の計測機器一式を計測車に搭載します。これにより、計測箇所への移動・停止後速やかに内空変位を計測することができ、準備や片付けを含む計測時間を大幅に短縮することが可能となりました(写真1、図1、2参照)。

特長1 トンネル内空変位を面的に計測
・3Dレーザースキャナを用いることで、トンネル壁面全体の変位を面的に計測できます。
特長2 計測時間を1/6程度に短縮
・計測機器一式を車載するとともにタブレットPCにて遠隔自動操作することで、準備や片付けを含む計測時間を短縮します。
・実際のトンネルにおける試験計測の結果、計測時間は6分程度であり、計測の度に機器一式を設置する従来手法と比較して1/6程度に短縮できることを確認しました(表1参照)。
・計測時間が大幅に短縮されることで、掘削作業に影響を与えることなく計測を行うことが可能となり、生産性向上に繋がります。
特長3 迅速に計測結果を確認
・タブレットPCを用いて計測データの処理や確認をその場で行うことで(図3参照)、トンネル内空変位を早期に把握して、適切な対策を迅速に行うことが可能です。

■ 今後の展開
今回開発した『車載式トンネル3Dレーザースキャニングシステム』は、先日掘削を開始した当社施工中のトンネル現場へ本年7月頃に導入する計画です。今後は現場適用を通してシステムを継続的に改良するとともに、他の山岳トンネル現場へ展開させていきたいと考えています。

 

写真1 『車載式トンネル3Dスキャニングシステム』を搭載した計測車の外観
 

図1 『車載式トンネル3Dスキャニングシステム』の構成機器

 

図2 『車載式トンネル3Dスキャニングシステム』のイメージ図

 

図3 計測結果の出力例(試験計測における模擬変位の出力結果)

 

表1 計測時間の比較

 

(参考)計測作業の手順
①計測箇所に計測車を停め、揺れによる影響を軽減するためにエンジンを切ります。このとき、スキャナが自動的に水平に保たれます。
②タブレットPCの操作により、計測作業が自動的に開始されます。坑内に常設されたトータルステーションが、基準球の座標を計測します。
③スキャナが、トンネル壁面と基準球を計測します。
④トンネル壁面の計測データと基準球の座標データがタブレットPCに転送されます。
⑤ノイズデータの除去やデータの平均化等の処理を経て、過去の計測データとの差分から変位量が算出されます。
⑥次の計測箇所へ計測車を移動させます。