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2017年08月21日
車両搭載型レーザ計測技術(MMS)を「i-Construction」道路工に適応 工事完了時の盛土出来形計測における精度検証と有効性実証

当社と株式会社パスコ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:古川顕一、以下:パスコ)、は、道路工事現場の生産性向上を図るため、車両搭載型レーザ計測システム(MMS:Mobile Mapping System)による盛土法面の出来形計測における精度検証と3次元地形モデルの生成効率の評価を目的に適用試験を行い、その有効性を実証しました。

国土交通省では、土木工事における生産性向上を図るため、3 次元データを工事の全工程で活用する「i-Construction」の取り組みを2016年4月から開始し、2017年度からは、対象とする工事の種別、規模などを拡大しています。現在、道路工事完了検査時の出来形計測においては、ドローン(無人航空機、UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を活用した空中写真測量や地上据置型のレーザ計測器による3次元地形のモデル化が主な手法として活用されています。しかし、植生工後、草が伸びる法面では、植生に覆われる地形の3次元モデル化に課題が残っていました。その課題を解決するために、MMSの適用試験を行い、精度検証とその有効性を評価しました。

■計測場所と検証方法
適用試験は、茨城県内の圏央道大生郷地区改良工事の現場で、道路工の盛土1150m区間にて、路床施工完了時の出来形計測として、同エリアをMMSによる計測とドローンを活用した空中写真測量を実施し、双方の計測成果の比較を行いました。

<MMSによるレーザ計測の概要>
車両に搭載するレーザ計測器を昇降式にカスタマイズし、リフトアップさせて地面から3.6mの高さからレーザを照射し、対象エリアの3次元座標データを計測しました。これにより、計測法面に鋭角にレーザが照射できることから法肩および法尻の計測死角を最小化しました。

 



 

<ドローンによる空中写真測量の概要>
対地高度57m,オーバーラップ90%,サイドラップ65%、地上画素寸法(地上解像度)1cmで空中写真測量を実施し、3次元地形モデルを生成しました。

 


 
 

■検証結果と今後
MMSでの計測成果(精度)は、近傍の電子基準点を用いるなどの精度向上を図り、出来形計測における要求精度±5cm以内に収まることを検証しました。また、植生の隙間を通過し、地面まで到達できていることが確認できました。
今回の検証結果から、出来形計測における出来形検査に適応した要求精度±5cmを担保しつつ、効率的な3次元地形モデルの生成にMMS計測が有効であることが確認できました。また、現場での作業時間はドローンによる空中写真測量が約1時間半に対して,MMS計測は約40分と大幅に短縮でき作業の効率化に効果があること、ドローンと比べて風等の天候に左右されず、安全性の高い計測手法としても効果があることも確認できました。

 

 
草の密度が高い箇所において、
〈ドローン計測〉 草の先端部を取得し、地面のデータ取得までは困難
〈MMS計測〉 多くの点が地面まで届いており地面のデータ取得がフィルタリングにより可能

今回の検証結果をもとに、多様な現場での適用試験を実施し、さらなる生産性の向上に貢献していきたいと考えています。
 
<西松建設の取り組み>
建設現場の生産性向上の取組みとして、ICT施工技術や3次元モデルを用いたCIM(Construction Information Modeling/Management)を導入、活用して施工計画や施工・施工管理業務の効率化を進めています。起工測量や出来形管理の計測作業においては、GNSS、レーザースキャナやドローンを利用して省人化、省力化を図っています。
今後はMMSも含め、自動化やロボット化などの新技術の開発、導入を進め、さらなる生産性の向上を目指しています。

<パスコの取り組み>
人工衛星や飛行機、ヘリコプター、ドローン、車両、測量船などのあらゆる視点から、地形・地物を計測し、その成果を社会の課題解決に向けたサービスとして提供しています。
「i-Construction」分野では、2016年6月からドローンを活用した3次元測量とデータ加工・処理サービス「i-Con 測量サービス」に加え、2016年10月からは、収集・生成した3次元データを使った土量計算や出来形管理を行うための専用ソフトウェア「PADMS i-Con」を開発、提供を開始しています。
また、急速に、拡大・多様化することが想定される「i-Construction」における3次元地形モデルの活用において、最先端の各種計測技術の実用化研究と建設現場での実運用に向けたサービス開発に取り組んでいます。