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2017年10月23日
高効率ばっ気処理装置を用いた1,4-ジオキサン除去技術の確立 -微細気泡による高効率ばっ気処理と酸化剤処理の同時適用による1,4-ジオキサン処理技術-

当社は、京都大学大学院エネルギー科学研究科(日下英史助教)と共同で、1,4-ジオキサン※1除去技術を確立しました。本技術によって1,4-ジオキサンとVOCを含有する混合汚染に対して、1,4-ジオキサン処理で特有な促進酸化処理(高効率の化学分解処理)を利用しなくても、土壌・地下水処理で一般的な処理法であるばっ気処理が適用可能となります。これにより、浄化コストの大幅な削減が期待できます。

■ 背景
1,4-ジオキサンは、有機合成用の溶媒、又は種々の溶剤等に使用されてきた有機化合物です。水溶性有機溶剤や水と任意に混和し、優れた洗浄力を持ち、液晶や半導体製造における洗浄剤などに幅広く使用されています。しかしながら、発がん性が疑われ、微生物による分解が困難な物質であることも知られており、直近では平成28年に土壌環境基準が設定されました。また、1,4-ジオキサンは、水と無制限に混和し、化学的に安定かつ揮発性が低いため、従来の処理技術で広く適用されるばっ気処理法では除去が困難であり、現状では強力な化学分解処理法(UV+過酸化水素・オゾンによる促進酸化法)によって処理されているのが現状です。将来的に1,4-ジオキサンが土壌汚染対策法の指定物質となった場合、促進酸化法は装置が大掛かりで高コストであり、比較的低コストで多用されてきた現状のばっ気処理工法では除去が困難なため、土壌・地下水浄化に大きな支障が出ることが懸念されます。

■ 詳細
今回確立した技術は、昨年度、当社が開発した微細気泡を用いた高効率ばっ気処理装置と、ばっ気処理槽中への酸化剤添加による酸化分解処理を併用することにより、従来のばっ気処理で1,4-ジオキサンの除去を可能とするものです。微細気泡による高効率ばっ気処理は、1,4-ジオキサン以外のVOCを容易に除去するため、酸化剤は1,4-ジオキサンの処理に効率よく利用されます。また、酸化剤による分解生成物(最終分解物のCO2と反応中間生成物の一部)も酸化反応系外へ速やかに排除されるため、酸化反応効率が向上するなど、ばっ気処理と酸化分解処理の効果を最大限引き出すことに成功しました。1,4-ジオキサンはばっ気処理または酸化剤添加単独の処理では除去が困難ですが、本技術により2時間の処理で50%程度の除去を達成しました。
<装置の構成と1,4-ジオキサン除去フロー>
① 当社が独自に開発した微細気泡を発生させるセラミックモジュール付き処理ユニットによる高効率ばっ気処理装置を使用します(写真1)。
② 既存のばっ気処理装置に上記処理ユニットと酸化剤添加槽を水槽内に追加・設置するだけで、ばっ気処理工法をベースとした1,4-ジオキサン処理装置となります。なお、本技術による処理フローのイメージを図1に示します。
③ ばっ気処理工法をベースとしているため、1,4-ジオキサンとVOCを含有する複合汚染水に対しても容易に適用できます。従来の化学酸化法の欠点であった、共存するVOCの分解にも酸化剤が消費されて1,4-ジオキサンの処理効率が低下することがなく、また酸化剤の添加量を削減できます。

 

 写真1 処理ユニット本体(セラミックモジュール6本/処理ユニット)

 

図1 高効率ばっ気処理装置+酸化剤添加併用による1,4-ジオキサン除去フロー

 

■ 今後の展開
本技術については、酸化剤の種類、添加方法及び添加量、処理温度等についてより詳細に検討し、1,4-ジオキサンの除去率を更に向上させるための改良を行い、実用化に向けての開発を継続して参ります。
本技術の実用化により、土壌・地下水汚染の浄化を促進し、地球環境の保全に貢献してまいります。
※1地下水に含有する基準値の数倍程度の1,4-ジオキサン