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2017年12月22日
シールド自動解析診断システム「NS-BRAINs(エヌエス-ブレインズ)」の開発-暗黙知を形式知にして、トラブルを未然に防ぎ、高品質、高効率な施工を実現-

当社は、シールド工事における施工品質の向上と一層の施工効率化を図るために、シールド掘進中の様々な自動計測データを即時解析・活用して施工状況を客観的に解析・診断する「シールド自動解析診断システム『NS-BRAINs』(Nishimatsu Brain for Real Analysis Information System)」を開発し、横浜湘南道路トンネル工事(国土交通省関東地方整備局発注)に導入しました。
このシステムは、能力向上が目覚しいデータ分析技術を活用し、人の経験則に頼っていた暗黙知を形式知にして掘削状況とその影響要因、リスク分析を定量的に把握することにより、トラブルを未然に防ぎ、高品質で高効率な施工を実現します。

■ 背景
シールド工事においては、シールド掘進中の土質変化や、地盤変状、設備の変調等、トラブルの前兆を捕捉し、遅滞なく必要な対策を行うことが品質向上かつ安全な施工をする上で非常に重要です。従来手法では、予め設定した処理フローや管理値、人の経験則等により異常の有無を判定していたため、予兆の見落としに起因する重大なトラブルの発生、想定外のトラブルへの対応が困難といった問題点があげられました。結果として、対応の遅れによる大幅な工程および工費の損失等が発生していました。また、トラブル予兆やトラブル時の対応がデータベース化されていない等の課題もあり、今後、熟練者の減少に伴い、施工技術・技能の経験部分に当たる「暗黙知の継承」が課題となっています。

■ シールド自動解析診断システム『NS-BRAINs』について
概要:シールド掘進管理において、現場から得られる全ての施工情報を集約・分析・評価することで、施工の最適化とリスク回避を図れます。
具体的には以下の事項を行います。
①リスク計画(リスクの特定、リスク原因の分析、リスク対応策)
②リスク監視(モニタリング、モニタリング結果の分析)
③リスクコントロール(②から①による対応策を出力)
仕様:メインシステム
・リスク要因を事前に計画・登録できる機能をもつ特性要因図、分析・評価結果や対処策の選定表示を行う対策工エキスパートシステムなどから構成
サブシステム
・施工データの統計解析、多変量解析※1およびデータマイニング※2機能等から構成
(図-1、図-2参照)。

主な特長:
①施工管理データの変調やトラブルの予兆を早期発見し、対応の遅れによる重大なトラブルを防止できます
②特性要因図は任意に追加・変更可能でリスク発生の予兆・劣化を高精度に想定できます
③各々のデータの推移やバラツキ等から統計的手法を基にして、従来は見落としがちであったトラブルの予兆を捕捉できます
④大量の施工管理データを漏れなく自動モニタリングできます
⑤リスク要因の分析結果から必要な対策工を参照、選定できます
⑥分析・評価フローの繰り返しをデータとして蓄積・フィードバックすることで、システムを継続的に改善・高度化し、リスク低減を図れます
※1多変量解析:多くの情報(変数に関するデータ)を、分析者の 仮説に基づいて関連性を明確にする統計的方法
※2データマイニング:未知の結果を予測するために、大量のデータに含まれている異常値、パターン、相関を発見する方法

■ 今後の展開
今後は、横浜湘南道路トンネル工事での運用により、更なるシステムの改良と小口径から大口径まで適応可能な柔軟性の高いシステム構築を目指し、システムの改良を図っていきたいと考えます。また、シールド工事における将来的な自動化を視野に入れ、AI技術の開発導入を取り入れたセグメント搬送から組立て、掘進までの完全自動化を図っていきたいと考えます。