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2019年04月09日
コンクリート壁面の湿潤養生技術 「モイスチャーウォール」 を開発 - 高保水性シートで均質な湿潤養生を実現 -

当社は、ボックスカルバートの側壁や橋脚の柱部など、コンクリートの壁面を均質に湿潤養生できる「モイスチャーウォール」を開発しました。保水性に優れた特殊素材と、柔軟性のある基材を一体成形した独自の養生シートにより、一度の給水で長時間ムラなく湿潤状態を保つことができます。また養生中のシートに水を再度補給する作業も、従来のマット状の養生材を用いた場合に比べて容易です。

■ 背景
コンクリート打込み後におこなう湿潤養生は、コンクリートの品質や構造物の長期耐久性を左右するため、極めて重要な工程となります。しかし、鉛直面や傾斜面など壁状のコンクリート面をムラなく湿潤状態に保つことは、スラブのような水平面での養生作業に比べて難しいのが実情です。例えば、散水や噴霧のみでは給水頻度が多く手間となります。また一般的な不織布やスポンジタイプの養生マットでは保水性が低いため、湿潤状態を保持できません。最近では、高い保水性を有したマットも製品化されていますが、水を含んだマットの密着力だけでは、日射や風によって乾いて剥がれるリスクがあり、また乾いたシートに水を再度供給する作業がきわめて手間となります。

■ 技術の概要と特長
モイスチャーウォールは、特殊な保水素材(約2㎜厚)を厚さ6㎜のポリプロピレン製の基材に一体成形した高保水性シートを使用します。本シートの重量は1m2当り560g(吸水前)と軽量で、容易に折り曲げることができ、またシート同士を嵌合して連続シートとして用いることができます。
設置方法は簡単で、型枠を取り外した後、シート自体にバタ角を渡してフォームタイで固定します。あとはシートの上方からポンプなどで水を定期的に自動供給して使用します。シート自体は保水力が300%(重量比)と高いため、施工条件にもよりますが、1日1回程度の給水作業で十分に湿潤性が保たれ、養生管理が容易です。転用は10回程度まで可能です。モイスチャーウォールは、湿潤養生の効果によってコンクリート表層部が緻密化され、中性化に対する抵抗性が高まるなどコンクリートの品質向上に寄与します。本技術が対象とする構造物・部位は、ボックスカルバートの側壁や擁壁、橋脚の柱・梁部などで、比較的面積の大きな壁面に有効です。

■ 今後の展開
今回開発したモイスチャーウォールは、東北地方で施工中の橋梁工事へ適用する予定です。また今後、コンクリートの品質向上に資する技術として、当社施工物件への活用のほか、技術提案を通じて普及を図っていきます。
 

写真-1 高保水性シートの構造

 

写真-2 養生面の湿潤状況


[使用例]

 

写真-3 モイスチャーウォールの使用例

 

写真-4 給水経過状況(①→④)