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2019年04月24日
シールドトンネルのセグメント管理システムを開発 -文字認識読取技術(OCR)の活用による資材運搬・管理業務の省人化、効率化を実現-

当社は、シールド工事における施工の省人化・効率化を図るために、セグメントピースに印字されている製造番号を文字認識読取技術(OCR)で読取るセグメント管理システムを開発し、横浜湘南道路トンネル工事(国土交通省関東地方整備局発注)に導入しました。
このシステムは、セグメントピースに関する一連の管理業務(受入れ、検査、仮置き、坑内搬送、組み立て)を簡素化するとともに、トレーサビリティの向上も目指し開発した技術です。
なお、このシステムは、国土交通省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に選定されました。

■ 背景
近年の大規模シールド工事では、掘進の高速化が求められています。それに伴って、時間あたりのセグメントピースの取扱量が膨大で、且つ、取外しが不可能な嵌合により組み立てるワンパス型のセグメントを使用するケースが多くなっています。また、取扱うセグメントピースの種類も様々(導入現場では約100種類)で、搬入順序を間違うことなく切羽に供給する必要があります。
従来は、現場でのセグメントピース管理は紙や口頭で行われ、確認や管理に時間と労力を要していました。一方、昨今ではICタグやQRコードなどを用いて、対象とする資材の情報をデジタル化して、これをマーカーとする管理システムがあり、施工時及び維持管理でのトレーサビリティ確保に活用されつつあります。しかし、新たに全てのセグメントピースに対してマーカーの貼付けが求められるため、その分で作業効率の向上を相殺してしまい不経済といった課題がありました。

■ セグメント管理システムの概要
本システムは、新たなマーキングに頼らず、各セグメントピースに印字されている製造番号をOCRでデジタル化(写真-1)し、各セグメントピースの仮置き場所や組み立て順序・位置などの情報を紐付けし、受入れから組み立てまでの一連の施工の各場面において、クラウド上の専用アプリで情報を閲覧し管理していくシステムです(図-1)。作業プロセスに従って作業状況が記録されるので、リアルタイムに作業進捗、在庫状況の把握と共有が可能です。作業に必要な情報を信頼性高く提供することで省人化と効率化を図ります。例えば、受入管理では、これまで2名で遂行していましたが、システムを運用することで、1名で管理が可能となります。データをクラウド上で管理しているので、施工者、発注者の両面で、現場状況を誰でも、いつでも、どこでも見える化が図り易くなります。

 

写真-1 OCRによるデジタル化

 

図-1 セグメント管理システムの概要図

 

主な特長:
①追加マーキング、専用読取り機が不要です。
②誰でも、いつでも、どこでも見える化が図れます。
③セグメントピース所在(ストックヤード設置エリア、組立位置)の一元管理が行えます。
④リアルタイムな在庫状況の把握が瞬時に行えます。

導入効果:
次のような場面での省人化・効率化により一連のセグメントピース管理業務で50%程度の生産性向上が図れます。
①受入検査等で管理要員の省人化が図れます(1、2人程度)。
②受入検査票、受払簿等の帳票が自動作成され、管理業務が軽減されます。
③セグメントピース管理状況の見える化によりシフト交代時の引継ぎ時間削減できます。

 

写真-2 従来技術と導入技術の試行状況


■ 今後の展開
今後は、横浜湘南道路トンネル工事での運用実績を踏まえ、更なる効率化と適用性・柔軟性の高いシステム構築を目指し、改良を図っていきます。また、得られる情報をCIMと連携すれば、維持管理に情報を引継げる利点が得られるとともに上流サプライヤのセグメント製造工場とのデータ連携が容易であるため、施工現場の枠を越え、工事進捗情報と連携した生産計画への応用も可能となり、工事に関わるサプライチェーンマネジメントへの発展へとつなげて行きたいと考えます。

 

図-2 セグメント管理システムの将来イメージ図