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2019年10月16日
山岳トンネル工事のエネルギーマネジメントシステム「N-TEMS」を開発 -坑内換気設備の消費電力量40%削減を達成-

当社は、山岳トンネル工事における使用電力量をリアルタイムで把握し、坑内環境を最適に保ちながら現場で稼動する機械・設備の使用電力量の削減を図るエネルギーマネジメントシステム「N-TEMS」を開発しました。国内3現場4トンネルにおいて本システムを適用し、導入前と比較して換気設備の消費電力を約40%削減することに成功しました。

■背景
当社では環境先進企業としての地球環境保全の取組みを通じて『エコ・ファーストの約束』を果たすべく、2030年度に当社の事業活動から発生する全てのCO2排出量をネットゼロとするために、全ての現場で LED仮設照明の採用、省エネ型建設機械の積極活用、省燃費運転の普及展開、軽油代替燃料の活用など(西松 Green Way 2019)に取り組んでいます。その一環として、当社が強みとしている山岳トンネル工事を対象に使用電力量の削減(約92t-CO2削減/年・現場)を目標に掲げ、使用電力量をリアルタイムで把握し、坑内環境を最適に保ちながら現場で稼動する機械・設備の使用電力量の削減を図るエネルギーマネジメントシステム【N-TEMS:Nishimatsu Tunnel Energy Management System】を開発しました。

■概要
本システムは、トンネル現場で稼動する機械・設備のデマンドを監視する『監視システム』、このシステムで判定された工種に基づいて換気ファン、集じん機の風量制御を行う『制御システム』、および計測された各種データをクラウドサーバー上で一元管理する『総合管理システム』で構成されています(図-1参照)。
『監視システム』は、現場で稼動する機械・設備に設置したデマンド監視装置から消費電力などの情報を取得し、クラウドサーバー上へアップします。同時に現在の機械・設備の稼働状況から坑内の工種を判定し、『制御システム』へ指令を送ります。
『制御システム』では、換気ファンおよび集じん機の送風量を工種毎にあらかじめ設定された最適な風量に制御します。なお、後ガス、粉じんを効率的に捕集するために集じん機は発破完了後15分間は最大風量で自動的に稼動します。また、坑内粉じん濃度が規定値(3mg/m3)以上にならないように、粉じん濃度測定結果を優先させて制御を行います。
『総合管理システム』では、機械・設備の消費電力量などのデータの一元管理による効率的なエネルギーマネジメントにより、現場の消費電力の最適化を行うことで、さらなる電力量削減を実現します。また、各現場から集められたクラウドサーバー上の各種データを本社・支社・技術研究所等の遠隔地からもリアルタイムで閲覧・分析することで、それぞれの現場に適切な指示・指導が可能となります。
現在国内3現場4トンネルにおいて本システムを適用し、導入前と比較して坑内換気設備の消費電力量を40%以上削減しています。

本システムの特長を以下にまとめます。

●消費電力量の「見える化」
工種毎,機械・設備毎の使用電力量を「見える化」することによって、現場の無駄を洗い出し、新たな削減対象の気づきにつながります。
●機械・設備の制御による電力量削減
監視システムにより現在の工種を判定し、制御システムが工種毎に機械・設備の最適制御を行います。たとえば、換気ファン、集じん機の風量を最適に制御することで使用電力量を削減します。また、終日最大風量での稼動や、昼夜の交代時間や週末の現場閉所時の稼動など、電力の無駄遣いの削減が可能となります。
●エネルギーマネジメントの一元管理
全国で稼動するトンネル現場の電力量をクラウドサーバー上で一元管理することで、効率的なエネルギーマネジメントを実現します。
●機械・設備のモニタリング
現場事務所だけでなく、本社・支社・技術研究所等の遠隔地においても機械・設備の稼働状況をリアルタイムにモニタリングすることが可能であり、機械故障の予防・早期発見にも役立てることができます。

本システムを活用することで、きめ細やかな機械・設備の制御が可能となるため、トンネル現場の使用電力量の削減が可能です。


■今後の展開
当社施工中の全トンネル現場への導入に向けて、効果の検証、システムの改良を進めていきたいと考えています。
さらに、詳細に消費電力量を把握するためのIoT技術をシステムに組み込み、よりきめ細やかな機械・設備の制御によるさらなる電力量削減を達成します。

 

 
図-1 システムの構成

 


図-2 制御システム画面

 


図―3 換気ファン風量設定画面                図―4 集塵機風量設定画面

 

 
図―5 総合管理システム表示例