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2019年09月06日
高精度に地質・変位予測できる山岳トンネルCIM総合管理システムを開発 -各種前方探査・予測解析とCIMの統合による施工中の生産性向上-

当社は、山岳トンネルにおけるCIMの効率的な活用を目的として、山岳トンネルCIM総合管理システムを開発し、「北海道新幹線、渡島トンネル(台場山)」工事で運用を開始しました。本システムは、従来のCIMデータに加え、当社独自の各種前方探査及び予測解析技術と株式会社演算工房(社長:林稔)が保有する汎用的な3次元ソフト「E-G Modeling」を統合したものであり、施工中に得られたデータを自動でインポートして既掘削区間の変位や前方地山の地質状況等を3次元的に可視化できます。これにより高精度な地質・変位予測や情報共有が行えるため、施工中の生産性及び安全性向上に寄与します。

 

■背景
最近の山岳トンネルにおけるCIMは、地質情報を基に詳細な3次元地質モデルを作成し、その地質断面図を用いた断層や地質変化点等の予測とともに、削孔検層等の前方探査及び既掘削区間の施工情報を見直すことによる前方地質の予測に活用していました。一方で、掘削時に得られた削孔データ等を基に、切羽前方や周辺地山の地質や変位をより高精度に予測・解析するシステム※1,2はCIMとは独立して運用しているに留まっています。
そこで当社は、従来のCIMに独自開発した前方探査・変位計測及び数値解析結果を3次元モデルで一元管理し、簡便な操作性により高精度な地質・変位予測結果の共有が行える山岳トンネルCIM総合管理システムを開発しました(図-1)。これにより、施工段階における地質や変位予測の更なる精度向上が可能です。


※1 DRISS-3D:施工時に得られる多数の削孔データから、空間データ補間機能を用いて処理・解析し、切羽近傍の地山性状を定量的に3次元評価可能な地山評価システムです。
※2 PAS-Def(Prediction and Analysis System for Tunnel Deformation):DRISSで得られた削孔データや変位計測データを元に切羽前方の掘削時における変形挙動を迅速に予測するシステムです。


■システムの特長
本システムは、従来のCIMデータ(トンネル構造物、地質情報等)に加え、当社独自の前方探査・予測解析技術も一元管理することで、掘削段階における地質分布及び変位の高精度な予測・評価に役立ちます。下記の特長により、現場運用時の利便性を大幅に向上できます。

①各種データの更新を自動化
各種データは自動的に3次元モデルへインポートされるため、膨大なデータの登録や3次元モデルへの表示作業を省力化できます。
②動作遅延を解消
3次元地質モデルや前方探査・数値解析結果等を統合した詳細なモデルでも、動作遅延を解消できます。
③表示切替えによる操作の簡便化
前方探査・予測解析等の各項目の表示切替えが容易なため、任意のデータを簡単に閲覧できます。

 

■導入の効果
本システムを導入することで、山岳トンネルの施工段階で以下の効果が得られます(図-2)。
①施工計画では、事前調査による地質情報(地質断面図、ボーリング情報等)から作成した詳細な3次元モデルより、断層等の出現位置や地質の変化点を事前に把握することで、事前準備や事前協議が可能となります。
②掘削中に得られる各種前方探査・予測解析データを一元管理することで、地質分布や掘削変位の3次元的な予測・把握をより高精度に行うことができます。また、既掘削区間のデータを予測にフィードバックすることができます。
③各種データを一元管理しているため、施工全体の品質のトレーサビリティが確保できます。また、画像等の詳細な記録を残すことで、竣工後の維持管理に役立ちます。

 

■今後の展開
今後は、他現場への導入を進め、機能追加や操作性の改善等のブラッシュアップを行い、より生産性向上に向けた取組みを推進していきます。

 

 

図-1 山岳トンネルCIM総合管理システム 概要図

 

 

 

図-2 掘削段階におけるCIM活用例

 

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