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2019年11月19日
新たなLPWA規格搭載の無線振動計測システムを用いた実証実験にて 世界に先駆けた構造物モニタリングの最新事例が誕生

~3階から8階を1ホップで通信しながらマルチホップで建物全体をネットワーク化
建設業界の課題を解決する防災・減災ソリューションの実現を目指す~

西松建設株式会社(東京都港区/代表取締役社長 髙瀨伸利)(以下、西松建設)と東大発無線通信ベンチャー・ソナス株式会社(東京都文京区/代表取締役CEO 大原壮太郎)(以下、ソナス)は、西松建設所有ビルにて実施した構造物モニタリング の実証実験において、ソナスの無線振動計測システム「sonas x02」の有効性が確認されたことをお知らせします。
同システムはソナスが独自に開発したマルチホップ型 LPWA 「UNISONet Leap(ユニゾネット リープ)」(以下、UN Leap)を搭載。同無線は省電力広域無線でありながら、主要なLPWAと比較して高速かつ安定した通信が可能で、高精度な振動計測データをロスなく収集することが可能です。これにより、複数フロアを1ホップで跨ぎ、マルチホップで建物全体をネットワーク化するという、世界に先駆けた構造物モニタリングの事例が誕生しました。
無線による構造物モニタリングは、設置が容易でコストも大幅に削減できるため、構造物の老朽化や点検技術者の不足に悩む建設業界において新たな防災・減災の手段として注目されています。今回の実証実験を踏まえ、無線による構造物モニタリングがますます普及していくことが期待されます。


■今回の実証実験に至る経緯
建設業界は、構造物の老朽化や技術者不足といった課題を抱えています。構造物の点検は、一般的に技術者の目視判断によって行われていますが、この点検には多大な時間やコストを要します。大地震の際は、多数の構造物が被災することに加え、技術者もまた被災することが予想され、構造物の健全性判断に時間がかかると考えられています。更に、被災した構造物が超高層建物などの大規模な構造物の場合、点検に数カ月を要すると考えられます。近年、これらの課題の解決策として、振動センサを設置することにより構造物の健全性などの状態を確認する構造物モニタリングが注目されています。特に、官庁舎などの防災拠点となる重要度の高い建物は、振動センサなどの設置が推奨されています。しかし、一般的な計測システムではデータ転送や電源供給に有線が用いられることが主流で、配線工事が必要になるという問題がありました。
そこで、西松建設は無線による構造物モニタリングに着目し、sonas x02を採用した実証実験に至りました。


■UN Leap搭載版sonas x02採用理由
有線システムに匹敵する「データが抜けない」、「時刻同期が取れている」という計測品質の高さに加え、複数フロアを1ホップで跨ぎながらマルチホップで建物全体をネットワーク化できる画期的な特性を兼ね備えていることから、採用に至りました。

《UN Leap搭載版sonas x02 特長》
・複数フロアを1ホップで跨ぐ通信性能
・端末間で30μsの高精度時刻同期          
・25μg/√Hzの低ノイズMEMS加速度センサ搭載
・乾電池で年単位駆動
・一般的なLPWAより高速な32kbpsのスループット  
・振動データの1サンプルも漏らさないロスレス収集
・クラウド経由でデータおよび各ユニット状態のモニタリング可能

 

■ 実験概要と今後の展開
西松建設所有の鉄骨造8階建て事務所ビルの1階から3階の各フロアおよび8階にsonas x02のセンサユニット(子機)を設置しました。各センサユニットで計測した振動データを地下1階のベースユニット(親機)に収集し、クラウドで遠隔モニタリングします。本建物には既に有線の振動センサも設置しており、地震後には無線・有線それぞれの振動データの比較検証を行います。
西松建設は同システムの計測結果を基に更なる検証を進め、新たな防災・減災の手段として活用してまいります。

 

構造物モニタリング概要図

 

センサユニット設置写真

 

 

■ UNISONetおよびUN Leapについて
UNISONetは、「安定」「省電力」「高速」「双方向低遅延4」「ロスレスデータ収集5」「時刻同期」「ネットワーク内多数収容6」といった要件を同時に満たす画期的な無線通信規格です。従来のIoT無線が直面しがちだった「バッテリが全然持たない」「通信がすぐに途切れる」「制約が多すぎて使いづらい」といった問題を回避できる新技術として注目されています。
3種類の仕様のうち、UN Leapは、干渉する電波が少ない、直進距離が長く回折特性が高いため通信エリアを拡大できる、といった920MHz帯の特性を生かしつつ、性能の高いマルチホップ通信をしたいというニーズに応える仕様で、最大32kbps(4ホップ時)のスループットで通信が可能です。