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2019年11月05日
斜張橋点検ロボット「コロコロチェッカー」のオプション装置を開発 -「水分測定装置」を九州建設技術フォーラムにて展示-

当社と佐賀大学(伊藤幸広教授)は、2012年に開発・実用化した斜張橋の斜材保護管の自走式調査ロボット「コロコロチェッカー®」のオプション装置として、新たに「水分測定装置」(写真1)を開発し、九州建設技術フォーラム(10月8~9日 福岡市)において共同開発者の佐賀大学・長崎大学のブースで公開しました(写真2)。
本装置により、これまでの保護管表面状況の調査に加えて、保護管内の水分を測定し、ケーブルの腐食リスクを判定することで、斜張橋斜材の健全度をより高い精度で確認することが可能となります。

 


 

 

■自走式調査ロボット「コロコロチェッカー ® 」 とは
コロコロチェッカー®は、斜材保護管をガイドとして遠隔無線操作により自走し、斜材保護管の外周全面を内部カメラ4台(フルハイビジョンカメラ)で撮影して表面状況を調査するロボットで、これまで調査が大変であった高所の小さな損傷等も安全に精度よく確認ができます。
コロコロチェッカー®は、専用の解析ソフトにより撮影動画から斜材保護管表面状況を自動で評価し、成果物となる調査結果(損傷状況等の展開図、調査データの一覧表、写真集など)を出力することで報告書が作成できます。
現在まで国土交通省・NEXCO・地方自治体が管理する斜張橋5件の受注実績があり、総本数約230本、総延長約15,000mの調査を実施しています。

 

 

■背景
斜張橋の斜材保護管に貫通するような損傷があった場合、保護管内部へ水分が侵入します。保護管内の水分は、保護管内に配置さているケーブル(鋼材)の腐食の原因となる(図1)ことから、保護管内の水分の有無は、斜張橋を維持管理するために重要な情報となります。
しかしながら、コロコロチェッカー®を始めとする従来の斜材点検装置は、斜材保護管の表面性状を確認・記録するものであり、保護管内の水分の確認は困難でした。

 


 

 

■斜材保護管内水分測定装置について
新たに開発した水分測定装置(表1)は、コロコロチェッカー®本体と連結し、牽引されて斜材保護管をガイドとして移動しながら連続測定するものであり、斜材保護管内の水分の有無が斜材全線にわたり把握できます。

 


 

水分測定は、高周波容量式の水分計を採用し、装置の内部に水分計の2つの電極が斜材ケーブルに常に密着するV型電極アームを2機備えています(図2)。
V型電極アームは、アーム長を伸縮させて電極位置を調整することで、国内の斜張橋の斜材保護管のほぼ全て(φ85~220㎜の範囲)に適用が可能です。V型電極アームは、斜材を挟んで2機配置することで、保護管内のケーブル位置の偏りに対して測定精度を確保することができます。
装置は動力を持たず、フレーム、カバーと測定器のみで構成され軽量であるため、作業性に優れます。

 

 

 
室内試験において各種測定を行った結果、保護管内充填材の有無に関わらず、保護管内の含水率が大きくなるに従い、水分計測定値が大きくなるという関係を確認できました(図3)。

 


 
■今後の展開
実橋における測定により、充填材の種類や充填状況が異なるなど各種斜材における水分測定精度の確認を行い、保護管内部のケーブルの劣化因子をより詳細に把握を可能とすることで、斜張橋の長寿命化に貢献してまいります。
これらに加え、鋼材内部の水分量だけでなく、鋼材の状況(腐食など)を把握できる機能の開発など、斜張橋の点検業務が安全確実かつ高精度に行えるような技術開発を積極的に推進してまいります。