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2020年03月19日
低品位フライアッシュのジオポリマー用の処理方法に目途

当社と北九州市立大学(高巣幸二教授)は、工場などの石炭火力発電施設から排出される低品位フライアッシュをジオポリマー用に処理して、その処理したフライアッシュを用いたジオポリマーの実機ミキサでの製造に成功しました。実機ミキサでの製造に成功したことにより、低品位フライアッシュのジオポリマー用の処理方法が有効であることを確認しました。

■背景
セメントコンクリートに比べ、CO2排出量を削減できる建設材料として注目されているジオポリマーは、主材料がフライアッシュであるため、大量のフライアッシュを使用でき、フライアッシュの有効利用方法として期待されています。低品位フライアッシュは、そのままでもジオポリマーの材料として使用できますが、より性能の優れたジオポリマーを製造するため、低品位フライアッシュの未燃カーボンを減らし、さらに安定した未燃カーボン量になるよう処理する技術が望まれていました。

■技術概要
低品位フライアッシュは、未燃カーボンが多く、また未燃カーボンの量が安定しないことが課題でした。そこで、下記の処理方法で、未燃カーボンを1%以下に減らし、また未燃カーボン量の安定したジオポリマー用のフライアッシュを製造するシステムを開発しました。

①浮遊選鉱法(未燃カーボンの分離)
低品位フライアッシュに水を加えてスラリー化したのち、浮遊選鉱の原理を用いてフライアッシュから未燃カーボンを分離します。未燃カーボンの多いフライアッシュは、写真-1(a)のように未燃カーボンがフライアッシュの表面に付着していますが、浮遊選鉱後のフライアッシュは写真―1(b)のようにフライアッシュに付着した未燃カーボンが除去されています。

②デカンタ式遠心分離機(ケーキ化)
浮遊選鉱で得られたフライアッシュは、写真-2(a)のようにスラリー状のため、そのままではジオポリマーの材料として使用できません。そこで、デカンタ式遠心分離機により、水分量を減らしスラリーから図―2(b)に示すようなケーキ状にします。

■実機ミキサでの練り混ぜについて
実機試験練りでは、容量500リットルの実機ミキサ(写真―3参照)を用いて、練り混ぜを行いました。写真-4に示すように目標スランプ600mmを満足するジオポリマーコンクリートの製造に成功しました。

■用語の解説
(ジオポリマーとは)
ジオポリマーとは、産業副産物であるフライアッシュ、高炉スラグ微粉末等を特殊な溶液で固化させた新しい建設材料です。ジオポリマーで構造物を建設した場合、セメントで建設するより80%程度CO2を削減できると試算されており、環境に優しい材料として注目されています。

(浮遊選鉱法とは)
細かな鉱物を界面活性剤などの化学薬品とともに水槽に投入したあと、泡を発生させ、泡と共に浮上する物と沈む物で分けることで有用な鉱物を収集する方法

(デカンタ式遠心分離機とは)
遠心力を利用して、水と固形物を分離する装置

 

■今後の展開
本処理システムは、実験室レベルの装置であるため、少量の処理しかできません。今後は、より大きな処理装置での検討を進める予定です。
なお、本プロジェクトは、独立行政法人環境保全機構の環境研究総合推進費の助成の一環として、実施したものです。

 

  

       (a)浮遊選鉱前のフライアッシュ 


        (b)浮遊選鉱後のフライアッシュ


 写真―1 浮遊選鉱前後のフライアッシュの状況

 

  

(a)デカンタ式遠心分離機で処理する前 


(b)デカンタ式遠心分離機で処理した後

写真-2 デカンタ式遠心分離機の処理前後の状況

 


            写真―3 実機ミキサ

 


       写真-4 スランプフロー試験