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2020年04月06日
コンクリート床ひび割れ自動計測システムを開発

当社は、株式会社自律制御システム研究所[以下、ACSLと称す](千葉県千葉市、社長:太田裕朗)と共同で、コンクリート床のひび割れを自動計測するシステムを開発しました。本システムは、非GPS環境である建物内を自律飛行して床面の写真を自動撮影するUAV(無人航空機)とコンクリートのひび割れを検出する画像解析技術で構成され、従来のコンクリート床ひび割れ図の作成方法に比べ、検査者の負担低減や時間短縮などの省力化やひび割れ検査の品質を向上させることが期待できます。

■背景
従来のコンクリート床ひび割れ図の作成は、検査者の目視によるスケッチやクラックスケールにより計測が行われており、大型物流倉庫など床面積が広い建物の場合、これらの作業は多大な時間と手間が必要とされ、省力化が求められていました。
一方、近年ではコンクリートのひび割れを検出する技術は、デジタル写真を対象にAI(人工知能)でひび割れを認識し、ひび割れ幅、長さを計測する画像解析技術が実用化されています。これはコンクリート構造物において、竣工時のひび割れ検査に用いたり、引渡し後のひび割れ状況の把握や補修の必要性有無を確認したりするために利用され、目視検査より品質が高くなることが期待できます。
この技術を活用して、コンクリート床ひび割れ図作成の省力化を図るためには、床面を効率よく分割撮影する技術が必要となり、UAVによる自動撮影が有力な手段の1つとして考えられました。しかしながら、非GPS環境である屋内では自己位置を正確に把握することは困難であり、UAVによる自動撮影が行えない状況でした。

■本システムの概要
本システムを構成するUAVは、大型物流倉庫等の建物内の環境に適した飛行制御技術とし、LiDAR※1やToFセンサー※2等の各種センサーを融合させ、自己位置の推定、地図作成及び飛行制御を行うことで、建物内の柱・壁・床などを認識し非GPS環境においても、自律飛行を可能としています。自律飛行では、予めフライトプランを作成し、撮影ポイントの移動と床面の分割撮影を自動で行うことができます。
また、カメラ部分はデジタル一眼カメラを採用し、ひび割れを検出する画像解析技術により0.1mm幅のコンクリートひび割れを計測することができます。また、撮影された写真には、UAVと同期した撮影時間が記録され、フライト記録との比較により撮影位置情報を付加することができます。

<UAVの特徴>
・LiDARやToFセンサー等のセンサーを融合し、自己位置の推定、地図作成及び飛行制御を実現
・非GPS環境下での自律飛行によるひび割れの写真撮影
・万一、障害物があった場合、1m手前で衝突を自動回避

※1 LiDAR(Light Detection and Ranging)
レーザー光を走査しながら対象物に照射してその散乱や反射光を観測することで、対象物までの距離を計測したり対象物の性質を特定したりする、光センサー技術
※2 ToF(Time Of Flight)センサー
光を照射して反射が帰って来るまでの時間から距離を計測するセンサー


■期待される効果
①分割撮影の自動化
・撮影ポイントへすばやく正確に移動し、床面の分割撮影を自動で行えます。
②写真合成作業の効率化
・分割撮影された写真には位置情報が付与され、写真合成を効率よく行えます。
③ひび割れ図作成の省力化
・UAVとひび割れ検出技術を組合せることで、ひび割れ図作成作業の多くが自動化され、検査者の負担低減や時間短縮などの省力化が期待できます。

■今後の展開
当面は当社の現場に適用し、実際の運用を通じて、現場環境に応じた最適な撮影条件の蓄積や検査計画から報告書等の最終成果物までのスキームの確立を進めていきます。また、本システムのUAVの特徴を生かした建設現場への様々な応用も検討していきます。

          写真1 UAV本体

写真2 デジタル一眼カメラ

※撮影時のカメラは下向きです。

 

 

      図1 自動分割撮影のイメージ