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2020年12月08日
国内初急曲線対応セグメント運搬車の導入 -自動誘導システムや遠隔操作を備えた急曲線対応多目的運搬車-

当社は、横浜湘南道路トンネル工事に、急曲線走行可能な多目的運搬車両を国内で初めてMetalliance社(メタリアンス社・フランス)より導入しました。
当工事では、セグメント運搬車両を立坑内で旋回させて上り線から下り線へ走行させる必要がありましたが、立坑内の旋回半径が小さいため、国内に対応できる車両がありませんでした。
そこで、このたび、メタリアンス社とともに現場に適合するように詳細設計を行い、伊藤忠TC建機株式会社(東京都中央区)を介してセグメント運搬を主目的としたタイヤ式運搬列車(以後TSP:Train Sur Pneu)を導入いたしました。
通常、タイヤ式運搬車はレール式運搬車に比べ、セグメントの受け取り位置合わせが難しいのですが、この運搬車両は、自動誘導ステアリングによって、より正確な位置に誘導できるようになりました。さらに、運転者の安全確保のために、リフター下部での操作は遠隔操作により無人で進入退出できるようにしました。

■タイヤ式多目的運搬車の概要
TSPは、3台の車両を1編成として構成され、各車両は2ピースのセグメントを搭載できます(各20トン)。
当機械は、5つの運転モードを選択できます。
1.通常モード
2.急曲線モード(外輪走行半径最小12.5m)
3.クラブモード(すべての車軸が同じ方向を向いて車両全体が斜めに平行移動できる)
4.自動誘導モード(狭隘な場所や門型の中央に誘導する時などに使用する。壁から任意の一定距離の位置を常に走行するように自動ステアリングにより車両毎に操作される)。
この自動誘導モードは、18個(各車両6個)取り付けられたレーザーセンサにより左右の壁からの距離を計測して、その値から車両の軌跡をコンピュータで計算し、その軌跡通りに走行するようにコンピュータが各車両の車軸の方向を制御します。
5. シングルトラックモード(全ての車軸の車輪が先行する車輪と同じ軌跡を通るモード。各車両の左右の牽引ジャッキの角度センサーでそれぞれの車両の車軸位置を検知する。進行方向を変える場合、データ記録装置のデータを読み込み往路と同じ軌跡で戻ることができる)
機械仕様は積載荷重80トンであり、セグメント6ピース積載時(60トン)で最大速度18km/hで走行できる。前記の通常モード以外の特殊運転時は、自動的に安全に走行できる速度まで最大速度が下がります。

遠隔無線操作によるTSPの運転は、自動誘導モード時に使用します。機械が狭い通路を走行する時やセグメントリフター下部を走行する時など、運転席で操作すると危険が伴うため、遠隔無線操作で走行させます。無線操作では、機械の前後進、エンジンの始動停止、緊急停止および解除、警報音、パーキングブレーキの操作ができます。(ステアリングは自動)
遠隔操作で自動ステアリング走行を行っている時は、運転席上部に装備されたラダーシステムが有効となり、前方に人や障害物があった場合はリモコンの警報音が鳴ります。

 

 
TSP全体写真

 


自動ステアリングモード使用時(リモコン操作)

 


セグメントリフターとTSP

 


ラダー装備位置

 


TSP 3D図

 


遠隔無線操作コントローラ

 


主な特長:
①外輪の曲率半径12.5mまでのカーブ走行が可能
②3台の車両が前の車両の走行軌跡に追従して走行できる
③狭隘な箇所は、遠隔無線操作により走行可能
④誘導板を設置すれば、自動ステアリングで誘導板から一定の離隔を保って走行できる
⑤今回は採用していないが、当機種は片方の運転席は折りたたむことができる


 

 

導入効果:
Metalliance社と詳細にわたる仕様を打ち合わせて導入した結果、以下の効果が見込まれます。
①無線操作によりセグメントリフター下部で、荷の下に入らずにセグメントの積込・荷下ろしが行える。
②立坑でセグメントを搭載した状態で、上り線から下り線への転回が可能。
③60トン積載した状態で18km/hで走行できるので、セグメントの運搬が早い。
④自動誘導ステアリングにより、容易にセグメントリフターとの位置決めができる。

■ 今後の展開
今後は、多目的運搬車の特性をいかして、人車にするための搭載箱や、コンクリート運搬のアジテータ、資機材運搬の籠等の使用も考えてさらに有効に使えるようにするとともに、遠隔操作の箇所を広げ、自動運転の実現にむけて取り組んでまいります。