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2021年05月19日
山岳トンネル工事における計測作業を遠隔で行う『Tunnel RemOS-Meas.(トンネルリモスメジャー)』を開発 -トンネル切羽近傍の計測作業の無人化-

当社は、ジオマシンエンジニアリング株式会社(東京都荒川区、社長:塚田純一)と共同で、山岳トンネル工事の計測作業を遠隔操作で行うためのシステム『Tunnel RemOS-Meas.(トンネルリモスメジャー)』を開発しました。
本システムを活用することで、切羽近傍における写真撮影や変位計測等の作業を遠隔で行うことが可能になるため、生産性や安全性の向上が可能です。
今後はこのような計測作業に加えて重機の無人化に関する技術の開発も進めていくことで、トンネル工事の無人化施工の実現に向けた取り組みを加速させていきます。

■背景
建設現場では、人口減少に伴う働き手不足や技術の伝承等、労働生産性に関する喫緊の課題を抱えており、狭隘な閉鎖空間の中で複数の特殊重機による作業が必要な山岳トンネル工事においては、無人化・自動化技術の開発は欠かせないと考えます。
このような背景から、西松建設ではトンネル施工の無人化(遠隔操作)・自動化に関する要素技術の開発を進めており、その一環として計測作業を遠隔で行うために『Tunnel RemOS-Meas.(トンネルリモスメジャー)』の開発に取り組みました。

■システムの概要
本システムは、計測台車と操作システムにより構成されます。計測台車には任意の計測機器を搭載することができ、職員が操作システムのモニタを確認しながらリモコンで計測台車を操作することによって、切羽近傍の計測および状況の評価作業を遠隔で行うことが可能です(図1)。例えば、計測台車に搭載する計測機器としてカメラを選択した場合には切羽写真を撮影しAIによる切羽評価、高速3Dレーザースキャナの場合には切羽掘削に伴う設計断面からのあたり(凸)箇所の検知や面的変位のリアルタイム計測、ガス検知器の場合には可燃性ガス等の坑内環境の把握が可能になります。本システムを活用して切羽近傍での作業の無人化を推進することによって、生産性や安全性の向上が期待されます。
①計測台車
計測台車のサイズは幅100cm×長さ115cm×高さ150cm程度、足回りはクローラとなっており、重機との離合、狭隘な箇所や不整地での走行・旋回が可能であるため、掘削サイクルの合間に迅速に計測作業を行うことができます。また、機器の搭載箇所は昇降リフトとなっており、計測機器の使用場面に応じて高さを調節することができます(図2)。その他に、周囲確認用カメラ、ラインスキャナを用いた計測台車の緊急自動停止システム、動力源として排気ガスを出さないリチウムイオンバッテリーを装備することで、トンネル坑内の走行における安全性や環境の保全を図っています。
②操作システム
操作システムは、遠隔操作に用いるリモコンやモニタで構成されています。現状では切羽から数十~百m程度離れた位置またはトンネル内に設けた遠隔操作室での操作を想定していますが(図3)、将来的に遠隔操作技術が発展した際にはトンネル外のような遠隔地での操作も想定されます。

■今後の展開
開発したシステムは、当社施工中のトンネル現場へ導入する予定です。今後は実適用を通してシステムを継続的に改良していく予定です。
また、西松建設では、本システムをはじめとした各施工重機の無人化技術を組み合わせた“トンネル掘削全般にわたる自動化・無人化施工技術「Tunnel RemOS(トンネルリモス)」”の構築を進めており(図4)、トンネル掘削作業の完全無人化の早期実現を目指して取組みを続けていきます 。

 


図1 Tunnel RemOS-Meas.の構想

 


図2 計測台車

 


図3 遠隔操作室のイメージ

 


図4 西松建設の山岳トンネル遠隔施工システム構想