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2013年04月26日
「薄層型短繊維混合処理工法」を用いて液状化時の道路変状を抑制

 西松建設(株)は、伊藤忠建機(株)、帝人(株)、東京工業大学 高橋 章浩 准教授らと共同で、埋立地などの液状化地盤上における道路変状抑制対策である「薄層型短繊維混合処理工法」の開発を進めてきました。開発においては、短繊維混合改良土がもつ曲げ強度、ねばり強さ(靭性)を活かすことで地盤改良厚さの低減に重点を置き、遠心模型振動実験と数値シミュレーションを用いて効果の検証を行いました。その結果、従来工法に比べて改良厚が1/2であっても十分な液状化時の道路変状抑制効果が得られることを確認し、「薄層型短繊維混合処理工法」の実用化に目途がついたところです(図-1)。


図-1 短繊維混合改良工法による地盤改良厚さの低減イメージ図
 

 2011年の東北地方太平洋沖地震では、東北から関東にかけての広い範囲で液状化が発生し、東京湾岸や関東の内陸で公共道路や工場構内道路等の被害が多く発生しました。埋立地のような液状化しやすい地層の層厚が大きい場合に、道路下の全層改良を行うには置換、固結、密度増大等の対策工法が選ばれますが、施工中の騒音・振動が大きく、コストのかかるものでした。そこでこれに代わる効率的かつ経済的な対策技術として、改良厚さ3mの浅層混合処理工法があります。
 今回開発した技術「薄層型短繊維混合処理工法」とは、道路下の路床部に対し短繊維を混入した固化処理を行うことで、曲げ強度や靱性に優れた版状地盤改良体を造成します。本工法は、従来の浅層混合処理工法よりもさらに改良厚を薄くできるので経済的です。
開発のための遠心模型振動実験は、西松建設所有の遠心振動載荷実験装置(有効半径3.8m、最大遠心加速度150G、最大積載容量 200ton・G)を用いて実施しました。また、東京工業大学において遠心模型振動実験を対象として数値シミュレーションを行い、薄層型短繊維混合処理工法による道路変状抑制効果を定性的に検証しました。今回の遠心模型振動実験と数値シミュレーションの結果より、道路変状対策として地盤改良対象となる路床部に薄層型短繊維混合処理工法を適用すれば、浅層混合処理工法の改良厚さを50%相当に縮減できることが確認され、施工コストは従来工法に比べ約30%低減できる可能性が示されました。
 今後は、低コスト化を実現できる道路変状抑制対策工法として、公共道路や工場などの構内道路、盛土基礎地盤の補強などにも利用されるよう普及に努めていきたいと考えています。

【短繊維混合処理土の主な特徴】
 ・短繊維を安定処理土と混合することで曲げ引張強度および靭性が向上します。


【主な用途】
 ・工場などの構内道路の路床部の液状化時変状抑制対策
 ・道路や宅地の一体的液状化対策の道路部の道路変状対策
 ・軟弱地盤上の表層地盤の補強(トラフィカビリティの向上)
 ・盛土基礎地盤の補強
 ・耐震補強を目的とした擁壁背面の裏込め材への適用
 ・公園緑地地盤の補強

写真-1 遠心模型振動実験状況

 

【短繊維混合処理土工法】
 短繊維混合処理土工法とは、土または安定処理土に短繊維を混ぜることにより、土の曲げ引張強度や靱性(ねばり強さ)などの力学的特性の向上効果が得られる工法です。