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2013年10月01日
シールド機で直接切削可能なセグメントを開発

 西松建設(株)は、シールド工法で大深度に道路トンネル分合流部を構築する技術として、シールド機で容易に切削が可能なガラス繊維補強コンクリートセグメント(GFRCセグメント:Glassfiber Reinforced Concreteセグメント)を開発しました。これにより、先行トンネルに後行トンネルをオーバーラップすることが可能となり、2本のトンネル間の切拡げるスパンが短くなるため、分合流部の覆工を合理的で経済的な構造とすることができ、かつ用地占有幅を低減できます(図1)。

図1 GFRCセグメント切削により構造体の幅を低減した合理的な分合流部を構築


■ 背景
 大都市部で大深度道路トンネルをシールド工法により構築する場合に、地上に工事用地の確保が困難であることや周辺環境への負荷低減の配慮などから、分合流部においても非開削による施工技術が望まれています。また、分合流部では道路幅の変化に対応して、用地占有幅を縮小しかつ経済的に構築する技術が望まれています。
 先行トンネルに後行トンネルを並行させて分合流部を構築すると、その断面幅は一定となるため不要となる空間が多くなります。そこで、先行トンネルに後行トンネルをオーバーラップさせて分合流部の断面幅を縮小できるよう、後行シールド機のカッタ―ビットで切削可能なセグメントを開発しました。

 

■ 技術の概要

 GFRCセグメントは、人工軽量骨材とガラス繊維製の異形ロッドを用いたコンクリート製セグメントです。ガラス繊維製異形ロッドは、ガラス繊維と熱硬化性樹脂の複合材料で、表面を連続ネジ状に成形したロッドで、鉄筋の約2倍の引張強度を有し、切断が容易で、曲げ加工が可能です(写真1)。
 GFRCセグメントの構造材料は、従来の設計方法が適用でき、セグメントとして十分な耐力を有することを確認しています。
 GFRCセグメントの特長は次のとおりです。

(1)シールド機に特殊装備や装置の能力増強等は不要

①専用のビットを必要とせず、通常装備のカッタービットが摩耗していても、
・先行トンネルのトンネル軸斜め方向 角度10°程度で切込み可能
・トンネル軸方向およびトンネル軸斜め方向に切削が可能(写真2)

②切削抵抗は小さいためカッタートルクの上昇が小さく、容易に切削が可能

(2)切削時の掘進速度は約30mm/minと、地山掘進と同程度の速度で施工が可能

(3)人工軽量骨材、ガラス繊維製異形ロッドは通常の骨材、鉄筋に比べ比重が小さいためGFRCセグメントは軽量

また、本技術によるメリットは次のとおりです(図2)。

(1)分合流部の断面幅を小さくできるため、用地占有幅が低減できます。

(2)断面の縦横比が小さくできるため合理的な覆工構造となります。

(3)2つのトンネルを接続するスパンが短くなり、切拡げ断面の縮小により掘削土量、地盤改良範囲等を低減できます。

(4)以上により、周辺環境負荷を低減するとともに、工費・工期の縮減が図れます。

 

■ 今後の展開
 GFRCセグメントは、道路トンネルの分合流部だけではなく、下水管渠等のシールド工事におけるトンネル内からの発進部やトンネル内への到達部のセグメントにも適用できます。また、発進立坑における直接切削部材等として利用できます。