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2014年02月27日
可搬式悪臭抑制装置の開発と現場適用

 西松建設(株)は、搬入・設置が容易で直ぐに現場利用できる悪臭抑制装置を開発しました。本装置は、消臭剤を霧と同程度の大きさのミスト状にすることで、広範囲に効率よく噴霧できるものです。建設工事の現場では、掘削作業に伴って突然悪臭が発生し、作業環境や周辺の生活環境に支障をきたすおそれがあり、その対策が急務でした。本装置を強い油臭が発生した解体作業現場に使用した結果、強い油臭を大幅に抑制できるという効果が確認されました。


■背景と概要
 ガソリンスタンド等の燃料油取扱施設の解体時に、老朽化した地下タンクまたは油配管等から漏えいした油分を含む土壌の掘削に伴って強い油臭が発生する場合があります。また、建設工事において掘削の途中で埋設廃棄物に遭遇し、その廃棄物に由来する悪臭が発生する場合もあります。上記のような悪臭の発生は事前に想定してないことも多く、作業環境や、周辺住民の生活環境への影響の低減について、住民や発注者から直ちに対策が求められる事例が少なくありません。
 そこで、事前に悪臭の発生が想定される工事だけでなく、予期していなかった悪臭の発生に際しても、直ちに悪臭抑制対策が可能な、可搬式でコンパクトな悪臭抑制装置を開発しました。今回、燃料油の取扱い履歴があり、強い油臭の発生が認められた解体工事現場において本装置を使用し、分析の専門家立会いによる油臭の測定によって油臭抑制効果を検証した結果、高い抑制効果を発揮することを確認しました。


■装置と実施例
 悪臭抑制装置は、ポンプユニット、薬液タンク(200L)およびファンユニットで構成され、ポンプユニットと薬液タンクを収める専用架台が付属します。使用電源は100Vであり、小型発電機でも稼働できます。各装置の仕様を表1に示します。
 消臭剤は、市販の油臭低減用の薬剤を使用し、その選定にあたっては、消臭剤毎にその噴霧量・消臭剤濃度と油臭の抑制効果の関係についてトリータビリティ試験(事前に行う室内実験)を実施し、各メーカーの消臭剤毎に必要な薬剤噴霧量・濃度の関係を正確に求めました。
 実例として、トリータビリティ試験で求めた消臭剤濃度・噴霧量を基に、強い油臭の発生が認められた解体工事現場において本装置を適用し、掘削中において発生した油臭と本装置による消臭剤噴霧後の油臭の変化を、分析の専門家立会いによる油臭測定によって、油臭抑制効果の検証を行いました(写真1)。その結果、掘削中の油臭の程度5~3(表2参照)を確認後、本装置による消臭剤噴霧の終了後では、油臭が2以下になることが確認され、高い悪臭抑制効果が確認されました。


■今後の展開
 土壌汚染浄化工事や燃料油取扱い施設等の油分を含む土壌が存在する工事、または建設工事等において埋設廃棄物等が発覚し、悪臭が発生した場合の緊急対策などの作業環境および周辺環境対策に積極的に活用していきます。

<装置の特徴>
 ・簡易ユニットは小型・軽量であり、現場への搬入・搬出および現場内での移動が簡単である。
 ・使用時の風向き、作業エリアに応じて設置場所が選べる。
 ・消臭剤をミスト状にすることで、噴霧距離はおよそ15m範囲まで及び、装置設置が掘削作業の支障にならない。

写真1 可搬型悪臭抑制装置による現場適用事例