土木技術
山岳トンネル

切羽前方の重金属類調査技術

ノンコアボーリングで切羽前方の重金属類溶出リスクを調査

概要
本技術は、山岳トンネルにおいて切羽前方の地質探査と同時にノンコアボーリングで得られる地山試料(以下、くり粉※)を用いて、掘削前に重金属類の溶出リスクを評価する調査技術です。

地山に重金属類の溶出リスクがある山岳トンネルでは、施工中に掘削ずりを分析し、基準適否を判定した上で搬出先の仕分けを行います。ここで、仮置場の用地が十分に確保できない場合、掘削前に重金属類の調査が必要となります。従来、掘削前の調査は、コアボーリングで得られる地山試料を用いて行われますが、迅速性とその費用に課題がありました。本技術は、山岳トンネルの汎用施工機械であるドリルジャンボを使用したノンコアボーリングで得られるくり粉を分析試料とし、コアボーリングに比べて短期間かつ低コストで重金属類の調査が可能です。
注※くり粉:ノンコアボーリングで得られる岩の破砕片で、削孔水と共に孔口より排出されます。