社員インタビュー INTERVIEW

設計BIM課 主任
※所属はインタビュー当時のものです
入社動機と入社後の会社の印象は?
犬小屋から始まった建築の道
設計と施工の両方を学ぶ
小さい頃から工作やモノづくりが好きで、中学生の時に飼っていた柴犬が外でも快適に過ごせるように、冬は断熱材を入れたり、夏は床組みをすのこにして通気性を良くしたりと、父と一緒に住宅の構造を研究しながら犬小屋を自作しました。この経験が、建築への興味の始まりでした。
大学では、設計も施工も行う建築会社でアルバイトをしていましたが、設計知識だけでなく施工性や納まりを理解していないと、施主が求めるものや使い勝手の良い建物を提案することができないと感じるようになり、就職活動では「ゼネコンの設計部」を希望することに決めました。
西松建設には同じ研究室の先輩が勤めていたこともあり、インターンシップも経験させてもらいました。当時、パースの作成依頼を受け得意だった3Dモデルを作成したところ、感触がとても良くインターン生でも分け隔てなく耳を傾けてくれました。そんな温かみのある社風に惹かれ、入社を決めました。
大手ゼネコンと比べて人数が少ない分、職員の特性をよく見ているという印象を受けています。設計職でありながら現場常駐の貴重な体験もでき、今では得意分野になったBIMを活かしてお客さまとの合意形成を図るサポートに携わっています。

歩んできた道 CAREER STEP
- 1年目
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本社 建築設計部
大学校舎新築工事の実施設計補佐仕上げ材のカラースキームの提案・3Dモデリング・パース作成
学生寮、社員寮の基本計画・設計業務
ボリューム検討・施主打ち合わせ資料の作成・行政協議資料の作成
- 2〜4年目
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九州支社 建築設計部
沖縄の総合病院建設工事にて現場事務所常駐施工図の作成・現場監理(施工図チェック・現場検査)
施主ヒアリング・1/1モックアップによる仕上げ材最終確認
BIMモデル作成・BIMモデルから職人さんへの修正指示図書き出し
- 5〜9年目
(現在) -
本社 デジタルコンストラクションセンター 設計BIM課
設計業務におけるBIM活用推進BIMシステム構築補佐・BIMモデリングルール検討
全国設計職員のBIM研修企画・実施
BIM実施物件における設計者サポート・BIM活用提案
他社BIM動向調査・BIMソフトユーザー間交流
今の仕事の難しさとやりがいは?
未来を築くBIMを導入し
より良い建設プロセスを実現
現在、私が担当しているのはBIM(Building Information Modeling)と呼ばれるシステムの構築と推進、設計者のフォローです。BIMは形状や見た目だけの3DCGとは異なり、モデル内に材料・部材の仕様・性能、仕上げなどの属性情報を付与することで、シミュレーションや図面化、干渉チェックなど、設計から施工まであらゆる工程で活用することができます。
ただ、活用の幅が広がる一方で、2次元の図面データ以上の情報を入力するため時間やコストがかかる場合もあります。また、建設業界内でも発展途上のツールであり、社内システムを構築していくことには正解がなく、どのように整備すると関係各所が使いやすくなるか日々頭を悩ませています。
それでも、BIMを用いることで従来以上に関係者間との合意形成が捗り、社内で浸透し活用されていく様子は、推進者としてのやりがいを感じさせてくれます。BIMの完全な導入に至るには多くの課題が伴いますが、それを乗り越えることで得られる成果や、BIMによる関係者とのコミュニケーションの円滑化は、私にとって大きなモチベーションとなっています。今後も、BIMの可能性を広げるために探究し、より良い建設プロセスの実現に貢献していきたいと考えています。
これからの目標、携わってみたい案件は?
BIMや先端技術を活用し
設計者をサポート
私が現在所属しているデジタルコンストラクションセンターは、BIMやデジタル技術を活用して日々の業務を効率化することをモットーに、2024年度に設立されたばかりです。メンバーはまだ少ないですが、建設業のIoT・デジタル化が進む中で、先端技術に真っ先に触れることができ、検討した提案も受け入れられやすい環境で自分の考えを具現化しやすい点が大きな魅力です。
現在、労働時間規制や建設業就業者の減少といった背景があり、国も動き出しています。国土交通省は2026年春に「BIM図面審査」を、2029年春には「BIMデータ審査」を開始する方針を示しており、国がBIMデータの利活用を促進し、業務の効率化を図ろうとしています。
設計BIM課としても、まずはBIMを活用した図面作成や申請業務の効率化を目指し、設計者をサポートしていきたいと考えています。さらに、設計者、施工者、顧客、そして社会全体の支援につながると信じ、デジタル技術を駆使して建設業界の変革に貢献していきたいと思っています。

あなたにとって「まかせられる人」とは?
全体最適の視点を持つ
チームを牽引する人
個々の視点では、スキルや知識が豊富な人を「まかせられる人」と感じるかもしれません。しかし、西松建設のようなゼネコンにおいて、その意味は少し異なります。私が考える「まかせられる人」とは、視野を広く持ち、多角的な視点で物事を考えられる人です。
設計施工案件では、意匠、構造、設備、施工など、さまざまな専門部署が連携し、決められた工期やコストの中で一つの建物を完成させます。どんなに意匠性が優れていても、構造的に無理があり、施工性が悪ければ、良い建築物は実現できません。自主的に他部署の意見に耳を傾け、全体最適の視点で判断し、チーム全体を牽引できる人こそが、信頼を得て「まかせられる人」だと私は考えます。
この考え方は、BIMの分野にも共通します。たとえ属性情報を細かく入力しても、労力やコストが見合わなければ、それは使われないモデルになってしまいます。大切なのは、施主の要望に応じた、実現可能で実用的なBIMデータを作成すること。そして、それを一ツールとして建設プロセスに落とし込み、他部署と連携しながら適切にマネジメントできる力です。これからの建設業界において、こうした人財がますます求められると感じています。私もその一員として、常に成長し続け、信頼される存在でありたいと思っています。

1日のスケジュール DAILY SCHEDULE
- 09:30
- 出社
(子供を保育園に預けた後にフレックス出社)
メールチェック・BIM実施物件の進捗確認
- 10:30
- BIM協力業者との打ち合わせ
- 12:00
- 昼食・休憩
- 13:00
- BIMツール開発打ち合わせ
- 15:00
- 課内ミーティング・BIM実施物件等における課題共有
- 16:30
- 設計担当者・現場からのBIM質疑対応
- 19:00
- 退社
オフの日の過ごし方 DAY OFF
子供が二人いるので、休日は子供の体力をいかに削って発散させるかを念頭に過ごしています。幸いなことに社宅の近くには公園や海、都心部や湾岸沿いの遊び場スポットが多く、5年過ごした今でも毎回新しい発見があり、子供たちも飽きることなく遊びに出かけています。

我が家には3Dプリンターがあるので、雨の日は本職で培ったモデリング技術を駆使して子供たちにおもちゃを作り遊ばせています。子供は正直で、つまらないとすぐ遊ばなくなるので、反応を見ながらこちらもモノづくりの楽しさを再発見しています。