Project #3開発系

地域経済の活性化に貢献する大規模プロジェクト。
都市の発展を牽引する活力拠点の創出を。

広島県・廿日市市新機能都市開発事業

PROJECT OUTLINE

広島県廿日市市は、山から海に至る豊かな自然、多くの観光客が訪れる世界遺産・宮島をはじめとする悠久の歴史と伝統、文化に恵まれたまちです。こうした多様な地域特性や多彩な魅力・資源を守り育みながら、将来にわたって住みよいまちであり続けていくために、中・長期的な視野を持って、まちづくりに取り組んできました。その具体的対象となったのが、廿日市市平良地区。都市の発展を牽引する活力創出拠点と位置付け、構想・検討が進められてきました。施行面積約70ha、マツダスタジアム約20個分の敷地に、観光・工業・住居から成るまちを土地区画整理事業にて造成する事業と、造成したまちに西松建設を含む複数社にてが事業者として約15haの観光交流施設を開発する事業が繋がる大規模プロジェクトであり、西松建設は2017年から事業協力者として参画。現在、土地区画整理組合より業務代行者として地権者対応や事業推進、造成工事、将来できる宅地への企業誘致等、すべての業務を一括で請け負っています。そして、2023年春、造成工事が開始されました。2027年の造成工事の完了後、観光交流施設の建築を着工、2029年の開業をめざしています。

PROFILE

開発職
アセットバリューアッド事業本部
開発第二部 開発一課
外山 陽平 Yohei Toyama

入社4年目。入社後、東京都内の市街地再開発事業に携わり、入社2年目から本事業に参画、2年間現地に駐在した。現在は本社勤務。本事業以外の開発案件も担当している。

開発職
アセットバリューアッド事業本部
開発第二部 開発一課
大内 咲絵 Sakie Ouchi

入社3年目。入社後、ホテルやオフィスビルなど、デベロッパーとして開発・運営に携わってきた。「ワクワクする仕事」を求めて入社したが、今まさにその渦中にある。

土木職
廿日市平良工事事業所
工事係
田中 涼太郎 Ryotaro Tanaka

入社4年目。入社以来、関西エリアで、メガソーラーの造成工事を担当してきた。そこで培った知見が、今回のプロジェクトに大いに活かされている。「造成のプロ」を目指す。

土木職
廿日市平良工事事業所
工事係
瀬戸 智江 Tomoe Seto

入社5年目。入社後、岐阜県の高速道路トンネル工事を担当。今回の造成工事は初めての経験であり、日々多くのことを学ぶ中で技術者としての成長を実感している。

※インタビュー時の所属です。

TALK - 01このプロジェクトの
社会的な意義とは?

外 山

建物やまちは単なる構造物ではなく、人の想いや考えを具現化した集合体だと考えています。それを上手く形にすることができれば、それ自体が自然とその「地域らしさ」になると思います。今回の土地区画整理事業では、まちの魅力や安全面の向上、住工混在の解消、人口流出抑制等の地域課題の解決に寄与することはもちろん、本当の意味での都市の持続可能性の実現をめざしています。そのためには、地域の方に愛されること、継続的に仕掛けづくりをしていくことが重要だと思いますね。

田 中

造成工事による土地区画整理事業に続き、観光交流施設や宅地、工業団地建設まで射程に置いた大規模開発事業ですから、これらが完成すれば廿日市市の観光資源、流通の中心になると思います。廿日市市には宮島という全国的に著名な観光地があるものの、市内には宿泊施設や立ち寄る観光地がありません。多彩で多様な観光交流施設ができれば、新たな観光地として機能すると思います。また地元企業を積極的に誘致することで、地元企業の雇用確保にも繋がっていくと思います。

大 内

本プロジェクトにより、交通形態も大きく変えると感じています。西広島バイパス、山陽自動車道との接続が予定されていますから、相互間の接続や周辺からのアクセスも良くなり、廿日市市の活性化に大きく寄与すると思います。私は2023年度から現地に駐在するようになりました。地域の方は何を望んでいるのか、本当にその地域に必要なものは何なのかを考えることが不可欠だと考えています。「地域らしさ」が発揮された個性あるまちづくりをすることが、魅力的な社会の創造に繋がっていくと思います。

瀬 戸

みなさんがお話しされているように、大規模なプロジェクトだけにこのプロジェクトが完成した暁には、廿日市市の発展に大きく寄与することになると思います。観光交流施設はその起爆剤の一つで、廿日市市に観光客を呼び込むことが期待でき、少なくない経済効果をもたらすと思いますね。観光交流施設は、ホテルやヴィラといった宿泊施設や温浴施設をはじめ、食物販、レストラン、酒造等の多彩なエリアで構成されるため、交流人口の増加も見込めます。地域経済の活性化に大きく貢献すると考えています。

TALK - 02プロジェクトで
携わっている役割とは?

外 山

私は入社2年目から本件を担当し、2年間は現地に駐在し、現在は本社から本事業に携わっています。土地区画整理事業の業務代行者の立場では、主に将来できる宅地への企業誘致・交渉等を担当。他にも、地権者向けの総会・勉強会の開催、地権者に向けた資料作り、行政・関係事業者との協議など、プロジェクト全体をコントロールしていく役割を担っています。また観光交流エリアへの進出企業として、共同事業者とともに施設の企画・コンセプトづくり、この施設を地域拠点とすべく地元への想いをもった企業の協業・誘致等を担当しています。

大 内

私は外 山さんの後任として、現地に駐在しています。土地区画整理事業は造成工事も始まり、身近に現場を感じることができるようになりました。現在の私の主な役割は、造成工事完了後に建築予定の、観光交流施設(複合リゾート施設)の計画を立案すること。開業まで6年近く時間がありますが、今は、どのような世界観・コンセプトを打ち出すか、誰をターゲットにした施設にするかなどの検討を進めています。また組合事務局として、外 山さん同様に地権者や関係者への資料作成や、社内外関係者の調整などを担当しています。

田 中

私と瀬 戸さんは、造成工事の現場で各種工事の施工管理を担当していますが、現在のメインの工事は調整池工事。集中豪雨等の大雨が降った際、雨水を一時的に貯め、河川への雨水の流出を抑制する施設である調整池は、クリティカルな工程であり、調整池をつくらないと造成工事は始まりません。調整池は6万2800㎥と3万6200㎥の雨水量を貯める2施設。現在施工に向けて、掘削工事、仮排水路工事、支障物撤去を行っています。また地元の人たちの応援をいただくため、地元の人の意見に耳を傾けるなど、地元対応も担当しています。

瀬 戸

私は土工事チームとして、造成エリアの伐採工事、地下排水工事、土工事を担当しています。ただ私は入社以来トンネル工事を担当してきたため、造成工事は初めての経験。天候に左右される経験も、多種多様な工種に触れるのも、さまざまな業者間を調整するのも、すべて初めてであり、現在は上司・先輩の指導を受けながら、造成工事の基礎を学んでいます。自分に取っては新しいチャレンジであり、技術者として大きく成長できる場を与えていただいたと感じています。

TALK - 03プロジェクトを通して得られた
経験・成長とは?

外 山

私は学生時代から「誰かの人生にとって、特別な思い出の一つになるような場所をつくりたい」と考えていました。今回のプロジェクトでは、観光施設の企画はもちろんのこと、工業団地の企業誘致をした際、相手の方から、嬉しそうに新しい工場への夢やこの地での事業の展望を語っていただいた機会がありました。そのきっかけをつくることができたことにシンプルにやりがいを感じます。また多くの人と対話・交流が多い仕事だからこそ、相手の立場や求めているものを汲み取り、施設づくりの多彩な視点を得ることができたのは、自身の財産と思っています。

大 内

今回のプロジェクトは関係者が非常に多く、またさまざまな立場の人がいるため、それらを適切に調整していくことが、事業推進の要になってきます。そのため、相手の立場で一度考えてみる、自分の立場を踏まえ、相手に合わせた対応をすることを意識しています。これまで関わることのなかった多分野の方々とのコミュニケーションや、様々な“現場”の視察などを通じて、自分自身の知見が広がっていることが感じられます。得た知見を今後どのように展開していくかが、自身のテーマであると思っています。

田 中

私は今回の現場で大型造成工事が2回目で、造成工事には入社以来携わってきました。同じような工事といえども、気象条件や地元の環境、土質の違い等、現場によって異なります。そうした中、以前経験した施工法からヒントを得て活用する場面もあり、過去の経験が活きている実感もあります。一方、地元対応や行政対応など新しいミッションを与えられており、多くの人の想いが詰まった事業であることを改めて感じています。地元の想いを反映させながら工事を進めていく過程では、考えなければならないことが尽きません。日々が挑戦であり、それが成長に繋がっていると思います。

瀬 戸

現場に入ってまだ数ヶ月しか経っておらず、成長の実感はまだありません。しかし、大規模な工事に携わることができ、日々発見や学びも多く、とても刺激的な現場だと感じています。たとえば造成における切土や盛土の調整。そこでは土を適切に動かすことが求められます。そうした一つひとつの造成のスキルを吸収しています。造成現場は一ヶ月もすれば景色がガラッと変わります。目に見えて工事が進捗していく過程の中に、やりがいを感じますね。

TALK - 04プロジェクトで求められた
「現場力」とは?

外 山

コロナ禍の中でも、やはり対面で関係者と話し、地道に信頼関係を築く「現場力」の大切さを感じました。言い換えれば、信頼関係を築く力が西松建設の現場力の一つだと思います。全国を担当する事業本部は、地元からすると最初はどうしても外からの立場にしかなりえないと思います。それでも限りなく、地元やその地域の方と近いまちづくりの想いを共有して、地道に地域に入り込むことで地元からの信頼に繫がると思っています。

大 内

不測の事態の時、臨機応変に適切に対応することが、西松建設の「現場力」だと考えます。今回のような大規模なプロジェクトでは、想定外の事象が起こることが少なくありません。私は業務の中で、「きっとこうなるだろう」と予測し、何が必要かを考えるようにしていますが、どうしても思った通りにならないことが多々あります。そうした事態に対し、私の上司は冷静な判断・切り替えをしています。私もそのような現場力を磨いていきたいと考えています。

田 中

現場は造成工事の初期のフェーズなので、今後工事が本格的に進んでいく中で、「現場力」が発揮されていくものと思っています。施工方法の検討や防災対策など、工事を経済的に、円滑かつ安全に進めていく方法等、協力会社と検討する機会が増えていくと思います。全体を俯瞰して一番理にかなっているものを選択し、工事を進めていくことは難しい部分ではありますが、それらをクリアしていくことが、求められる現場力と考えています。

瀬 戸

工事の中には、さまざまな工種の業者さんが入ってきます。業者間の調整や作業内容の確認、作業計画の立案等、私にとってはまだまだ難しい部分がありますが、その中でも業者の方々と密に打ち合わせをして、工事を前進させています。多くの関係者を巻き込んでものを一緒に作り上げていくためには、コミュニケーシンが極めて重要であり、それも現場を動かす「現場力」の一つだと感じています。

TALK - 05この経験を活かし、
今後、経験したい現場とは?

外 山

今回のプロジェクトでは建築・土木事業本部とも密に連携し、土地区画整理事業の舵取りを行う業務代行者としての立場、造成宅地への進出企業としての立場と異なる立場で関わり、角度の違う視点を持つことでのメリットや事業の広がりを感じました。今後も環境・エネルギー等の新規事業や、異業種との連携など、新たな視点からの掛け合わせによりまったく新しいものが生み出せると思っています。私が所属する事業本部のキーワードが「ワクワクをつくる」。用途規模限らず、自分自身も一緒に「ワクワク」できるようなプロジェクトを手掛けていきたいと考えています。

大 内

今回のプロジェクトは、都市構造や観光形態の改革が目的の一つとされています。今後も、このような、世の中や地域の社会課題解決に寄与するようなプロジェクトを推進していきたいと思っています。実は私は「ワクワクした仕事ができる」と思って西松建設に入社しました。偶然にも、所属部署のキーワードは外 山さんが指摘した「ワクワク」。たくさんの「ワクワク」をつくっていきたいです。また、本プロジェクトの現地から見える景色は私の故郷にとても良く似ています。いつか自分の地元にも何かしらの形で貢献するのが私の目標です。

瀬 戸

今後、造成工事が進んでいく中で、さまざまな工種を経験することになると思います。そのほとんどが、私にとって新しい取り組みです。2027年3月が造成工事の完成ですから、それまで一つでも多くのスキルを吸収していきたと思っています。それら知見を活かして、今後携わりたいのが、耐震補強をはじめとしたインフラを強靭にする工事。社会に不可欠で、多くの人々のためになるプロジェクトに関わっていきたいと考えています。

田 中

今後も、大型造成工事に携わらせていただいて、ありとあらゆるケースを経験したいと思っています。造成工事の魅力は工種が幅広いことで、現場で発生するさまざまな課題に対してアプローチし続けるには、経験の積み重ねこそが重要です。目標は、「造成」の世界を究めて、「造成のプロフェッショナル」に成長すること。そして自分の造成のスキルやノウハウを後輩に継承していきたいと考えています。

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