コーポレートガバナンス
基本的な考え方
当社は、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、コーポレートガバナンスを充実させ、当社とステークホルダーが長期的に安定した良好な関係を維持していくことを基本方針としています。
この方針のもと、取締役会の意思決定の迅速化および監督機能の強化、ならびに業務執行体制の強化につながるしくみを構築しています。
コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取組み
コーポレートガバナンス・コードの各原則に対する当社の取組み方針については「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取組み」を、当社の取組み状況については「コーポレートガバナンス報告書」をそれぞれご参照下さい。
コーポレートガバナンス体制のさらなる高度化に向けた取組み
当社は、コーポレートガバナンス体制の高度化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。2016年度には監査等委員会設置会社へ移行し、監査等委員を取締役会の構成員とすることで、取締役会の監督機能の実効性を確保しました。また、2022年度から2024年度にかけて、取締役会構成の見直しおよび多様性の確保を図るほか、サステナビリティの観点から企業価値を高めるため、「サステナビリティ委員会」および「サステナビリティ戦略会議」を設置しました。当社は今後もコーポレートガバナンスのさらなる高度化を図っていきます。(以下の記載は統合報告書2024発行日(2024年9月)現在のものです。)
コーポレートガバナンス体制
コーポレートガバナンス体制図

取締役会・監査等委員会の構成
当社の取締役会は、監査等委員でない取締役7名と監査等委員である取締役5名で構成されています。監査等委員でない取締役は、業務執行取締役6名と社外取締役1名(上場企業の経営経験者)が務めています。監査等委員である取締役は、常勤の社内取締役1名と社外取締役4名(公認会計士、上場企業の経営経験者、情報・通信企業出身者)が務めています。いずれの取締役も企業経営において重要と考えられる分野の専門的知見を有しています。
現在、取締役会に占める社外取締役の比率は41.7%、女性取締役の比率は16.7%となっていますが、今後も取締役会の独立性やスキルセット、多様性を検証し、取締役会の実効性向上を図っていきます。

取締役会のスキルセット

取締役候補者の選任基準
- 取締役候補者は、知識、経験が豊富で能力が高く、人格の優れた、高い倫理観を有する者より選任する。
- 業務執行取締役候補者は、当社事業の知識・経験が豊富な者や財務会計等の知識に優れた者より選任する。
- 監査等委員である取締役候補者は、専門性や経歴を重視し、適切に監査・監督できると判断される者を選任する。
- 社外取締役候補者は、独立性を重視して選任するほか、専門的知識を有する者、企業経営の経験を有する者を選任する。また、取締役会の多様性を考慮する。
- 取締役候補者の指名については、適切な経営体制の構築に資するため、指名・報酬委員会に諮問し、その答申を受けて取締役会で決定する。
社外取締役の選任理由
役位 | 氏名 | 選任理由 |
---|---|---|
社外取締役 | 松坂 英孝 | 大阪瓦斯株式会社在職中の豊富な経験に加え、同社代表取締役として培われた幅広い見識を有していることから、当社の経営について客観的視点で監督していただける適切な人財と判断し、社外取締役に選任しています。 |
社外取締役 (監査等委員) |
鈴木 乃里子 | 公認会計士としての専門的知識に加え、不動産業の会計に関する豊富な経験を有していることから、当社の経営について客観的視点で監査・監督していただける適切な人財と判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
社外取締役 (監査等委員) |
久保 俊裕 | 株式会社クボタ在職中の豊富な経験に加え、同社代表取締役として培われた幅広い見識を有していることから、当社の経営について客観的視点で監査・監督していただける適切な人財と判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
社外取締役 (監査等委員) |
伊藤 弥生 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ他各社在職中の豊富な経験に加え、ICTに関する幅広い見識を有していることから、当社の経営について客観的視点で監査・監督していただける適切な人財と判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
社外取締役 (監査等委員) |
大下 元 | JFEエンジニアリング株式会社在職中の豊富な経験に加え、同社代表取締役社長およびJFEホールディングス株式会社取締役として培われた幅広い見識を有していることから、当社の経営について客観的視点で監査・監督していただける適切な人財と判断し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
社外取締役候補者が以下に該当する場合、当社との独立性がないものと判断する。
- 1西松建設グループ関係者
- 当社及び当社の子会社の出身者
- 就任前直近5年間において、配偶者・2親等以内の親族が当社の取締役・監査役・執行役員・経営幹部である者
- 2主要な取引先の関係者
- 当社の取引先で、就任前直近3年間のいずれかの事業年度において、取引額が当社の連結売上高の2%以上を占める取引先の取締役、執行役員、経営幹部等である者、又は過去にこれらに該当する場合で、退任または退職してから5年以上経過していない者
- 当社を主要な取引先とする会社で、就任前直近3年間のいずれかの事業年度において、当社との取引額がその会社の連結売上高の2%以上である会社の取締役・執行役員・経営幹部等である者、又は過去にこれらに該当する場合で、退任または退職してから5年以上経過していない者
- 3主要な借入先の関係者
- 直近事業年度の事業報告において、主要な借入先としている会社の取締役、執行役員、経営幹部等である者、又は過去にこれらに該当する場合で、退任または退職してから5年以上経過していない者
- 4弁護士や公認会計士等の関係者
- 当社の会計監査人である監査法人の社員で、当社の監査を担当している者、又は就任前5年間にこれらに該当する者
- 当社から就任前直近3年間に500万円以上の報酬等を受領している弁護士、公認会計士又はコンサルタント等、又は就任前5年間にこれらに該当する者(法人にあってはこれらに所属する者を含む)
- 5寄付先の関係者
- 当社が就任前直近3年間の平均で 1,000万円を超える寄付をした大学や団体等に所属している者
- 6主要株主
- 議決権の10%以上の株式を保有する株主(株主が法人等である場合には、その取締役・経営幹部等である者)
- 7その他
- 取締役の相互派遣に該当する場合
- その他重要な利害関係が当社グループとの間に認められる場合
取締役会の実効性の分析・評価
当社は、会社の持続的成長と企業価値向上のために取締役会が適切な役割を果たしているかどうかを確認するため、取締役会の実効性についての分析・評価を毎年1回実施し、取締役会の機能強化及び改善に努める旨を「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取組み」に定めております。
この取り組み方針に基づき、2024年1月から3月にかけて、取締役会の実効性についての分析・評価を下記1.のとおり実施しました。取締役会は、下記3.の評価結果を受けて、コーポレートガバナンスの一層の高度化を図るため、下記5.のとおり、今後も継続して取締役会の実効性向上に取り組むことを確認しました。
- (1)評価プロセス
- 取締役会事務局が主体となり、全取締役に対するアンケートを実施しました。アンケートの集計作業は匿名性を確保するため第三者機関に委託し、そのアンケートの集計結果をもとに分析・評価を行い、取締役会に報告・協議しました。
- アンケート対象期間 :2023年4月~2024年3月
- アンケート項目検討 :2023年10~12月
- アンケート回答(匿名) :2024年1~2月
- アンケート結果集計・分析 :2024年3月
- 取締役会報告・協議 :2024年3月、5月
- (2)アンケートの評価項目
- 評価項目は、「取締役会の役割・機能」「取締役会の構成・規模」「取締役会の運営」「監査機関との連携」「社外取締役との関係」「株主・投資家との関係」とし、前年度の取締役会実効性評価において監査等委員会から取締役会に報告された事項も加味して決定しました。
- (3)評価結果の概要
- 評価の結果、当社の取締役会は、議長による適切な議事進行や各取締役の活発な発言により率直な議論がなされており、実効性が確保されていることが確認できました。
特に、社外取締役が適切に助言・監督を行うための機会が提供されている点や後継者計画に関する議論が適切になされている点は、当社取締役会の強みであると認識しております。
- (4)前回課題への対応
- 前年度に主な検討課題とした項目への対応状況は以下の通りです。
- 1企業理念、長期ビジョンの浸透へ向けた議論:主に社長・本部長会議で議論し、取締役会での議論は課題が残りました。
- 2取締役会における議論・審議・報告:付議事項を整理し、決議事項を見直しするとともに、報告事項を充実させました。
- 3取締役会に向けた運営:社外取締役への議案の事前説明の充実に取り組みました。
- 4取締役会で使用する資料:資料のレベルアップに取り組みました。
- 5役員向けトレーニング:研修会を実施しましたが、計画や内容に課題が残りました。
- (5)課題を踏まえた今後の取り組み
- 当社取締役会の実効性をさらに高めるためには、前回課題の対応に引き続き取り組むとともに、特に以下の項目については重点的な課題と認識しました。
- 1取締役会の在り方に関する検討
- 2役員向けトレーニング
今後、取締役会において議論を進めてまいります。
取締役報酬制度
取締役(監査等委員である者を除く。)の報酬制度の概要
当社の取締役(監査等委員である者、およびそれ以外の取締役のうち社外取締役である者を除く。)の報酬は、基本報酬および業績連動報酬で構成します。また、社外取締役(監査等委員である者を除く。)の報酬は基本報酬のみとします。
基本報酬は、役位に基づき決定する固定報酬(月額報酬)とし、従業員の給与水準および世間相場等を勘案して算定します。
業績連動報酬は、業績目標の達成度合いに応じて決定する変動報酬とし、ベースとなる業績連動報酬を役位別に設定し、これに業績連動係数を乗じて支給額を算定します。支給額算定のため企業価値向上に資する評価指標を役位・職名別に設定するものとし、「目標達成度」および「対前期業績」を年度毎に評価します。
業績連動報酬は、短期インセンティブとしての現金報酬と長期インセンティブとしての株式報酬に分けて支給します。現金報酬は毎年7月に賞与として支給するものとし、株式報酬は株式給付信託による換算ポイントを毎年6月に付与し、役員退任時に累積ポイント分の株式を支給します。
基本報酬と業績連動報酬の割合は、当社の経営戦略、事業環境、職責および目標達成の難易度等を踏まえ、同業他社の動向を参考に、適切に設定します。また、業績連動報酬のうち、金銭報酬と株式報酬の割合は概ね1:1とします。なお、株式報酬には最低報酬額を設定するものとし、業績連動報酬の下限額と同額とします。
以上の方針に基づき取締役社長が作成した原案を指名・報酬委員会に諮問し、その答申を受けて取締役会において決定します(基本報酬は毎年3月、業績連動報酬は毎年6月に決定)。
区分 | 業績連動指標 | 支給方法の概要 | |
---|---|---|---|
基本報酬 | - | 基準額を金銭により支給 | |
短期 インセンティブ |
業績連動型 賞与 |
(中期経営計画1年目および2年目) (中期経営計画最終年度) (売上高、売上総利益、営業利益、ROE、自己資本比率、配当性向) |
基準額に業績連動係数を乗じて算出した額を金銭により支給 |
長期 インセンティブ |
業績連動型 株式報酬 (株式給付信託) |
基準額に業績連動係数を乗じて算出したポイントを付与、役員退任時に累積ポイント相当分の株式を支給 |
報酬構成イメージ

監査等委員である取締役の報酬制度の概要
監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみとし、監査等委員以外の取締役の報酬および世間相場等を勘案して監査等委員である取締役全員の協議により決定します。
区分 | 支給人員 | 基本報酬 | 業績連動報酬 (金銭報酬) |
業績連動報酬 (非金銭報酬) |
報酬等の総額 |
---|---|---|---|---|---|
取締役(監査等委員を除く) (うち社外取締役) |
6名 (1名) |
165百万円 (10百万円) |
34百万円 (-) |
25百万円 (-) |
225百万円 (10百万円) |
取締役(監査等委員) (うち社外取締役) |
5名 (4名) |
56百万円 (38百万円) |
- (-) |
- (-) |
56百万円 (38百万円) |
合計 (うち社外取締役) |
11名 (5名) |
221百万円 (48百万円) |
34百万円 (-) |
25百万円 (-) |
282百万円 (48百万円) |