社会

人財戦略

人財戦略の課題と新たな取組体制の構築

労働人口の減少や価値観の変化が加速する中、持続的な成長には「多様な人財がワクワクし活躍できる仕組み」の構築が不可欠です。当社は現在、「必要な人財の確保と定着」「適材適所の配置による組織力最大化」「挑戦・連携意識の醸成とエンゲージメント向上」という課題に直面しています。

これまでの取り組みと課題

これまで「意識・行動変革」「組織能力強化」「成長資源創出」を軸に、多様性を重視した採用強化、社内育成体系「西松社会人大学」の拡充、心理的安全性確保のための対話、部門を超えた人財配置などを推進してきました。特に女性管理職比率が低いことについては、組織能力強化面における課題として認識しており、女性が働きやすい環境づくりと着実な能力獲得に向けて取り組んでいます。

社員エンゲージメント向上への取り組み

持続的成長の鍵となる社員エンゲージメント向上のため、やりがい、成長機会、公正な評価、心理的安全性といった要素を重視します。経営戦略との一貫性を保ちながら、制度・仕組みといった「ハード面」と企業文化・社員意識といった「ソフト面」の両面から環境整備を進め、社員が能力を最大限発揮できる好循環を目指します。

人的資本向上のための主な取り組み

1.多様な人財の確保と活躍推進

人財獲得競争の激化に対応し、確保と定着を喫緊の課題としています。

確保策
新卒向けリクルーター制度を導入し志望度向上を図るとともに、キャリア採用を強化するため「選考経験者優遇採用」や「アルムナイ採用」といったチャネルを拡大しました。
活躍推進
フレックスタイム制や在宅勤務制度の利用を促しており、男性育休取得率は徐々に向上しており、「取るのが当たり前」の風土が醸成されています。
残る課題
フレックスや在宅勤務制度は現場勤務者には利用しにくい現状があり、制度拡充に加え、意識改革と業務効率化が必要です。
女性活躍推進
総合職数は増加傾向ですが、ライフイベント等によるキャリアへの不安の声が多く、「働き方紹介セミナー」の開催やDE&I委員会でのアンコンシャス・バイアスに関する勉強会などを通じて解決に取り組んでいます。

2.社員の成長機会の提供(西松社会人大学)

2019年度に設置した社内育成体系「西松社会人大学」の講座を拡充し、自律的な学びを促進するためオンデマンド講義を試験的に導入しています。今後は、指導者の育成力向上支援、社内研修講師の指導力強化、キャリアデザイン研修や相談窓口の設置など、ソフト面の対応に注力し、受講者の自発的な学習意欲の向上を図ります。

3.次世代経営人財の育成

持続的成長のため、将来の経営を担う人財の計画的な育成が重要課題です。早期に幹部候補を選抜し、難易度の高い業務や役割を通じて、幅広い経営リテラシーを獲得するための育成プログラムを構築する計画です。

4.挑戦・連携意識の醸成

心理的安全性の確保と挑戦を促す仕組みとして、社長と社員間の対話、挑戦行動の人事評価への組み入れを実施してきました。更なる強化策として、上司部下間の対話に加えて、特に高い挑戦意識や部門連携に貢献した社員・部門を表彰する仕組みの整備を計画しています。

5.人財情報の見える化(タレントマネジメントシステムの構築)

勘や経験に頼る人財マネジメントからデータに基づくマネジメントへの転換を目指し、タレントマネジメントシステムの構築を進めています。社内に散在していた情報の一元化と、社員の保有能力、性格、志向といった情報の収集・蓄積を完了しました。今後は、保有能力の客観的な測定を課題として、適正配置やサクセッションプランへの活用に向けた詳細なデータ蓄積を進めます。

6.社員エンゲージメント向上に向けた継続的な取り組み

社員の会社への貢献意欲を維持・向上させるためには、社員エンゲージメント調査に基づく課題発見、対策立案、実行、見直しのサイクルをスピード感をもって回し続けることが不可欠です。このサイクルの鍵として「対話」を重視し、各職場での上司部下間の対話を実施し、信頼関係の構築とエンゲージメント向上を目指します。

エンゲージメントスコアの推移
トータルエンゲージメントスコア
(支社採用社員、派遣社員除く)
仕事 職場 会社
2023年度 3.67 3.67 3.76 3.61
2024年度 3.71 3.68 3.76 3.68
人財データ
(単位) 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
従業員数(人) 2,794 2,804 2,892 2,908
内、男性(人) 2,404 2,419 2,482 2,477
内、女性(人) 390 385 410 431
平均年齢(才) 44.4 44.7 44.7 44.0
内、男性(才) 45.0 45.3 45.3 44.9
内、女性(才) 40.7 40.7 40.8 35.7
平均勤続年数(年) 18.0 18.3 18.1 19.2
内、男性(年) 19.3 19.6 19.3 20.1
内、女性(年) 9.8 10.4 10 11.1
外国人総合職数(人) 9 10 16 23
(単位) 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
新卒採用数(人) 115 115 113 100
内、男性(人) 95 95 94 84
内、女性(人) 20 20 19 16
中途採用数(人) 14 20 29 50
内、男性(才) 11 15 23 41
内、女性(才) 3 5 6 9
現場の閉所データ
(単位) 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
4週7閉所割合
(土木現場)(%)
63.5 77.1 85.0 84.3
4週7閉所割合
(建築現場)(%)
61.1 64.5 61.9 78.8