社会

サプライチェーン

サステナビリティに配慮した調達活動

当社は2023年3月に制定した「調達方針」と「調達ガイドライン」に基づいた調達活動を行っています。
サプライヤーである協力会社の皆様にも当社の方針を理解していただき、サプライチェーン全体でサステナビリティに配慮した調達活動を推し進め、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

パートナーシップ構築宣言の更新登録日:2025年4月7日
【外部リンク】https://www.biz-partnership.jp/declaration/92831-04-00-tokyo.pdf

担い手の確保・育成と持続可能なサプライチェーンの構築に向けた取り組み

当社は、2023年11月に公表された「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」にならい、価格転嫁協議に関する運用ルールを定めました。2024年度には、約500件の下請負契約案件について協力会社との価格転嫁協議を実施しました。この取り組みは単年度の施策ではなく、毎年度着実に推進していきます。

さらに、サプライチェーンとの連携強化、共存共栄をさらに進めるための気づきを得ることを目的に、主要協力会社約400社に対してアンケートを実施しました。結果をもとに改善に取り組み、協力会社との信頼関係をさらに深めることで、相互の持続的な成長をめざします。
労務費見積り尊重宣言[PDF:117KB]

サプライチェーンとの共創

重要なサプライチェーンである協力会社も生産年齢人工の減少に加え、3Kと呼ばれる過酷な労働環境に起因して、担い手確保に苦慮しています。特に、技能労働者の確保は、建設業界の存続に関わる重要な課題だと認識しており、協力会社と共に解決に向けて取り組んでいます

その中で、取引のある協力会社の中心的な立場となる西松建設協力会(通称:Nネット)の皆さまと一緒に業界の課題解決に向けて取り組んでいます。

  • 働きやすい職場環境の整備(空調服やアシストスーツの購入費補助)
  • 建設技能者の育成とサポート(CCUSの普及促進)
  • 西松建設協力会(通称Nネット)との協働活動
    ・Nネット成長戦略会議の開催(課題解決に向けた議論)
    ・担い手確保に向けた取組み(優良技能者制度の拡充や職場体験会の開催など)
    ・CSR活動の共催(植栽や海岸清掃など)
優良技能者制度年度別認定者数
制度項目 2024年度累計
西松グランドマイスター認定者 6名
西松マイスター認定者 156名
ゴールドマイスター認定者 478名
シルバマイスター認定者 199名
ブルーマイスター認定者 189名
上級クレーンオペレーター認定者 10名
優良技能者表彰受賞者 1,352名
登録基幹技能者資格取得支援制度利用者 110名
上級職長育成支援制度利用者 250名
上級職長育成支援金:50,000円/1名
西松グランドマイスター手当:5,000円/1日
西松マイスター手当:3,000円/1日
ゴールドマイスター手当:2,000円/1日
シルバーマイスター手当:1,000円/1日
ブルーマイスター手当:500円/1日
上級クレーンオペレーター手当:1,000円/1日

事業主・職長教育強化

2017年より現場の災害防止に重要な役割を担う事業主および職長への教育に力を入れています。
事業主に対しては、支社・支店の安全大会や現場の災害防止協議会において、「事業主の責務」と題し、全協力会社に対して年2回の教育を実施しています。
また、職長の能力向上教育については、前回の教育受講から5年以内に受けることを義務づけています。
元請主導の安全管理から、元請と協調しながら協力会社自らが主体性をもって行う安全管理へと少しずつ変化しています。

(単位:人)
  北日本 関東土木 関東建築 西日本 九州
事業主教育 474 251 676 836 397 2,634
職長能力向上教育 237 71 96 165 222 791
※2024年度の実績
「事業主教育」
現場の安全管理は元請と協力会社(事業主)が両輪となって行うという基本理念のもと、事業主として理解すべきこと等について年2回講習を実施しており、2024年度は2,634名に教育を行いました。
「職長・安全衛生責任者能力向上教育」
技能労働者の安全衛生を守るキーマンは職長です。その職長の方々で組織する職長会が中心となり、「コミュニケーションのよい現場」「常に整理整頓が行き届いた現場」「緊張感のある規律ある現場」を実現できるよう取り組んでいます。当社では職長に対し、5年に1度の能力向上教育の受講を義務付けており、2024年度は全国で44回開催し、791名が受講しました。
「健康確認」
作業に携わる方々の高齢化に伴い、現場で私病にて具合が悪くなる方が増えました。足場上や階段などで気を失うと大事になりかねません。そこで現場では、朝及び午後の作業前に、作業を行うグループで集まり、職長が配下の作業従事者の健康チェックを行っています。
「指差呼称定着に向けた取り組み」
昨今では不安全設備による災害よりも不安全行動による災害が圧倒的に多いことから、ヒューマンエラーを防ぐ7つの取り組みを9年前から実践しています。この中でなかなか定着が図れていない「指差呼称」を定着させるべく、2024年度も引き続き活動を展開しました。『声掛け・指差呼称マスター』を選任し、その者を中心に声出しを行い、現場全体に広めていこうという活動です。現場からだいぶ声が聞こえるようになってきましたが、活動はまだ道半ばです。現場のそこかしこで指差呼称の声が響くよう、今後も活動を継続していきます。