お知らせ2023年08月01日

－物流施設5プロジェクトでの実践で成果を実証。2023年度にかけ適用案件を拡大－

　当社は、BIMから高精度の（西松生産設計BIMシステム）を構築したことをお知らせいたします。
　本システムは、熟練技術者の暗黙知を形式知化し、BIMシステムに落とし込むことで、設計と施工の連動性が強化され、精度の高い施工図作成や効率化を可能にしました。更に、着工前の早期段階で顧客要求の実現性や施工の成立性を見極めることで、着工後の調整や手戻りを削減する効果も期待できます。これまでに本システムを当社施工の物流施設5プロジェクトで実践適用し実証いたしました。

　当社は、2024年度からすべての物流施設プロジェクトに本システムを適用するだけでなく、集合住宅プロジェクトなど他建物用途へも適用範囲を拡大する予定です。また、2027年までに設計BIMと連動した生産設計BIMを、生産設計・工事計画・施工領域まで一気通貫で活用しながら横断的な変革を推進し、2030年までに施工図を不要とする生産設計BIMの構築を目指すことで『より良い建築物を、より早く、より安く、提供し、顧客価値と企業価値を高める』ことを実現します。



■適用物件例

■構築の背景

　建築設計と施工をつなぐ施工図は、建築物全体における顧客要求・品質・コスト・工期面での実現性担保において重要な図面であり、早期での施工検討の精度向上は生産性に直結します。ところが、設計内での整合や施工図検討時の施工検討項目との整合は複雑で手戻りが発生しやすく、熟練技術者同士の暗黙知やノウハウによる擦り合わせにならざるを得ない状況です。そのうえ、設計図から施工図への非効率な転記や、施工図作成時の記入漏れ、複数図面に対する重複した修正作業なども非効率を増長させています。その対策として、一般的な設計段階の設計BIMから出力した2D図面を施工図として活用しようとしても、詳細な施工要件を付与・修正しながら仕上げていく必要があり、変更の都度、BIMと施工図を同期更新することはかえって非効率を増長させることに繋がります。その結果、建設業界では着工後に施工検討項目を精査・整合し、施工図を作成することが一般的であり、現場の手戻りや調整の増加など、生産性を低下させる原因となっていました。



■西松生産設計 BIMシステムの概要

　当社は、西松生産設計BIMシステムを第一弾として、工事計画の変革や施工領域の変革など、設計⁻施工全体へ戦略的な変革活動を推進していき、より良い建築物を、より早く、より安く、提供し、顧客価値と企業価値の向上に努めてまいります。