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山岳トンネル技術開発拠点「N-フィールド」始動

お知らせ2023年11月29日

-西松建設の山岳トンネル技術力の向上-

 当社は、山岳トンネル施工技術の向上、山岳トンネル無人化・自動化施工システムをはじめとした技術開発のさらなる進展のため、栃木県那須塩原市に研究開発拠点『N-フィールド』を新たに整備し、運用を開始しました。

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■開設の目的

1)トンネル無人化・自動化施工システムの試行・実験フィールド
実物大模擬トンネルと遠隔操作室という山岳トンネルの無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS」の開発環境を整備することで、全国の山岳トンネル現場での試行実験と並行して、施工機械の複数同時遠隔制御や自動化・自律化に関する開発をよりスピード感を持って推し進め、2027年度の全体システム完成・実用化を目指します。

2)社内技術力の向上
山岳トンネル施工技術の向上・伝承のために、品質管理・出来形管理等の現場施工管理能力の向上を目的とした当拠点における社内研修の充実、山岳トンネル以外の技術開発の促進を図ります。
また、当社が目指すスマート現場実現のため、今後さまざまな業界のパートナー企業や大学などの研究機関との共同実験やAIIoTをはじめとするDX技術のテストフィールドとして提供していきます。

3)対外発信拠点
教育機関等の見学会や各種展示会を通じて、当社が進める山岳トンネル無人化・自動化施工への最新の取組みについて実際に体感することができる対外発信拠点として活用することで、建設業の魅力を伝えていきます。


■Nフィールドの概要

名称 N-フィールド
所在地

栃木県那須塩原市高林字下川原林701番地8
エフティーエス(株) 那須塩原テクニカルセンター内

敷地面積 524m2
主な設備

模擬トンネル
 -トンネル断面:約66m2
 -トンネル幅×高さ×延長:11m×7m×47m

遠隔操作室
 -遠隔操作コクピット:2
 -簡易操作ユニット :1
 -遠隔操作通信:長距離無線LAN、小電力無線、
         Wi-Fi

 -外部通信設備:有線通信(光回線)
         衛星通信(スターリンク)

遠隔操作重機202311月現在)
 -油圧ショベル(0.45m3
 -エレクター一体型吹付機
 -計測台車

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現在の運用状況と今後の展開

運用を開始したN-フィールドにおいて、コンクリート吹付機による吹付け作業の遠隔操作や自動化技術の開発に向けた試行・検証、あるいは油圧ショベルによる自律運転等の技術開発や展示会における遠隔操作システムの体験デモを展開中です。今後は、社内研修会や当社開発技術の対外発信拠点としての活用のほか、随時、遠隔操作重機の配備を拡充し、複数施工機械による遠隔操作での同時制御システムの構築、さらには吹付機、油圧ショベル、ホイールローダ等の自動・自律制御システムの開発によるトンネル掘削作業の完全無人化に向けた取り組みを進めていきます。