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環境配慮型コンクリート「スラグリート®」を当社技術研究所に適用
お知らせ2023年03月17日
当社は、高炉スラグ微粉末を用いた環境配慮型コンクリート「スラグリート®」※1を当社技術研究所(神奈川県愛川町)の実験棟建屋の一部に適用しました。高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉から発生する副産物です。「スラグリート®」は、高炉スラグ微粉末をセメントの代替として用いることで、二酸化炭素の排出量を大幅に抑制したコンクリートであり、脱炭素社会の実現に貢献できる技術です。
■ 環境配慮型コンクリート(スラグリート®)の特徴
環境配慮型コンクリート(スラグリート®)は、これまで、中性化による耐久性能の低下が懸念される理由から、地下構造物に限定され、上部構造物への適用はできませんでした。
このたび、上部構造物へ適用可能な高炉セメントA種相当コンクリート(スラグリート®BA)やコンクリート製造時の高炉スラグ微粉末の使用量を抑えた高炉セメントC種相当コンクリート(スラグリート®BC)を開発し、当社技術研究所実験棟の土間コンクリート部分に適用しました。スラグリート®のメニューを拡充させることで、建築・土木工事問わず、構造物全体で環境性能の高いコンクリートが選択的に適用できるようになりました。
■ 適用したスラグリート®の種類
今回、当社の技術研究所に適用したスラグリート®は以下の通りです。(図1~3)
〇スラグリートBA:普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を50%:50%の混合比率にて製造した高炉セメントA種相当のコンクリート
〇スラグリートBC:高炉セメントB種と高炉スラグ微粉末を60%:40%の混合比率にて製造した高炉セメントC種相当のコンクリート
〇スラグリート70:普通ポルトランドセメントと高炉スラグ微粉末を30%:70%の混合比率にて製造した高炉セメントC種相当のコンクリート
■ 今後の展開
近年、土木・建築を問わず、高い環境性能が求められる工事が増えており、コンクリート工事への本技術の積極的な普及・展開によって、脱炭素化社会の実現に貢献していきます。
※1 戸田建設㈱と共同で開発した高炉スラグ微粉末高含有コンクリート
■ 参考資料


図2 コンクリート製造時における二酸化炭素排出量削減効果

図3 同一水結合材比による材齢28日標準養生圧縮強度比較
写真1 施工状況
写真2 仕上げ作業状況