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建設機械の遠隔運転練習システムを仮想現実(VR)空間に構築
-山岳トンネルの無人化施工に向けて遠隔無線操作技術の効率的な習得促進を加速化-

お知らせ2023年02月02日


 当社は、株式会社ネクステラス(代表取締役:木下大也)と共同で、山岳トンネルにおける無人化施工を早期に実現させるため遠隔運転の操作練習が利便性良く行える仮想現実(VR)コンテンツを製作しました。

■ 背景
 労働の安全性確保と働き方改革の実現に向け、建設機械を遠隔運転するシステムの市場は拡大しています。当社では、コアコンピタンスである山岳トンネルの施工を筆頭として、遠隔運転による省力化と危険作業の解消が図れるTunnel RemOS シリーズの展開を進めています。
 遠隔運転には、操作器を操作しても直ぐに建設機械が反応しないとか、モニター画面では視野が限られるなどの、独特な運転感覚が付きまといます。遠隔運転の技術を習得しようとする者は、練習でその感覚に慣れておく必要があり、その練習環境の提供が以前より求められていました。しかし練習用に遠隔運転席、遠隔運転に対応した建設機械、練習場所の三点セットを臨機に用意できるケースは少なく、練習が簡単に行えない問題がありました。そこで、遠隔運転席、建設機械、練習場所の三点セットすべ
てを仮想空間で練習できるシステムを製作することにしました。
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■ 詳細
 今回、製作した遠隔運転練習システムは、遠隔運転席までも仮想現実としたことが特徴です。仮想現実の遠隔運転席から別の仮想現実の建設機械を遠隔運転する、すなわち二つの仮想現実空間を連携して動作するシステムとすることでこれを実現しています。具体的には図2のように、遠隔運転席を仮想現実に収めたあと、遠隔運転席のモニター画面にもう一つ別に用意する仮想現実をはめ込んで、建設機械と練習場所はこちらに収めます。これにより、遠隔運転席を実物で用意することは避けて前記背景で述
べたコストと利便性の問題を解消し、本番の遠隔運転席に没入体験できることで練習の用をなすという仕組みです。

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■ 今後の展開
 遠隔運転の建設機械を用いた工事施工の市場拡大とともに、そう遠くない将来、遠隔運転の練習も日常的な光景になると考えます。今回の製作で、遠隔運転席や遠隔操縦に対応した建設機械が用意できる以前の段階から、臨機に本番の施工環境を模した遠隔運転の練習が可能となりました。本番の施工において建設機械の運転席を模したデザインの遠隔運転席を用意している今の状況であっても、練習ではその遠隔運転席が要らないとすることで利便性よく練習可能となり、練習のハードルを下げ、遠隔運転者
の要員養成のすそ野が拡がると考えます。加えて、仮想現実では建設機械を写すカメラアングルを簡単に変更できるので、運転練習のほかにも、本番のカメラ取付けシミュレータとしても活用でき、遠隔運転による工事施工を進める手助けとなるものです。

 当社は、Tunnel RemOS シリーズの展開にあわせ本システムの整備を図り、遠隔操縦練習の充実を進めてまいります。その他、本システムの利便性、安全性を生かし、機会あるごとに現場見学会での体験会、展示会でのご紹介などを計画してまいります。