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場所打ちコンクリート杭の孔壁形状確認システムを開発

お知らせ2024年02月19日

-孔壁測定結果をデジタル化、現場作業の省力化を実現-


 当社は、場所打ちコンクリート杭1の孔壁形状確認システムを開発しました。本システムの利用で、現場職員の業務時間短縮・効率化に貢献できます。

■ 背景
 場所打ちコンクリート杭の築造は、掘削孔にコンクリートを流し込む前に孔壁の状態を関係者間で確認する必要があります。これまで、孔壁の状態確認は、紙の帳票を用いて情報共有を行っており時間を要していました。場所打ちコンクリート杭工事は、同じ杭工事である既製コンクリート杭2工事と比較して、一般的にデジタル化が遅れています。


■ システムの概要
 本システムでは、まず孔壁測定3結果をデジタルデータとして自動的に取り込みます。国内で一般的に利用されている孔壁測定装置の多くには、測定結果の出力端子が標準装備されており、装置を改造することなくデータの取得が可能です。取得したデータは、Wi-Fiを介して現場職員のタブレット端末に転送されます。
 タブレット端末に転送されたデータは、モバイルデータ通信を通じてデータ処理用のサーバーに転送され、サーバー上で事前に設定されたフォーマットに従ってデジタル帳票が自動的に作成されます。タブレット端末から確認することも可能です。作成されたデジタル帳票はサーバー上にあるため、現場職員だけでなく社内の関係部署の職員と時間や手間をかけることなく情報共有が可能です。
 また、本システムは株式会社ハイパーエンジニアリング(社長:佐藤清)の建築関連システム「e-トモ」に対応した仕様になっており、本システムを「e-トモ」と連携して運用することで現場職員の業務効率化をより推進することが可能です。



240219_f01.jpg図1 開発システムの概要


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図2 システムの操作画面


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図3 孔壁測定結果の帳票例



■ 期待される効果
 本システムの利用で孔壁測定結果をワンストップで作成・管理することが可能となり、現場職員の負担軽減、業務の効率化を図ることができます。


■ 今後の展開
 当社は今回開発したシステムを運用し、場所打ちコンクリート杭工事の施工管理におけるデジタル化を更に進めてまいります。また、業界全体のデジタル化の進展に寄与するため、株式会社ハイパーエンジニアリングを通じて本システムを社外に展開することを検討しています。


1:現場で一から築造する杭で、現場の地盤に孔を掘り、鉄筋籠を建て込んだ後コンクリートを流し込んで築造するもの
2:一部プレキャストの杭で、工場で予め製造したコンクリート製杭部材を現場に搬入し、地盤に掘削した孔に建て込んで築造するもの
3:孔内の中心にセンサー内蔵の超音波発信機を下ろし、発信した超音波の孔壁反射波をセンサーで観測することで、孔壁の出来形を確認する作業