生物多様性保全を目的とするビオトープ『中津クロスポイント』を整備
お知らせ2024年04月23日
-技術研究所内に地域性植栽を取り入れた生物多様性フィールドを整備-
当社は、技術研究所(神奈川県愛甲郡愛川町)の敷地内にビオトープ『中津クロスポイント』を新たに整備しました。本整備により、愛川町周辺の在来の動植物や希少な植栽の保全への貢献が期待されます。
■ 背景
環境省が「30by30」目標1)を掲げるなど、生物多様性への関心が社会的に高まっており、事業活動における環境配慮は企業にとって必要不可欠です。そして、生物多様性の保全には、その損失を食い止めることのみならず、多様性を回復させていくことが重要です。西松建設もエコ・ファースト企業として環境への取り組みを積極的に進めており、ネイチャーポジティブ(自然再興)への貢献を目指しています。技術研究所が所在する愛川町は、八菅山・尾山といった環境省に選定された「生物多様性保全上重要な里地里山」を有しており、豊かな自然が広がっています。愛川町周辺の希少な植栽の保全といった自然保護活動も本取り組みの目標の一つとしています。
■ 詳細
『中津クロスポイント』という名称には、町内に流れる中津川と相模川の二つの一級河川流域に生息する生態系が交差する拠点になってほしいという意味が込められています。国内在来種だけではなく、愛川町周辺に自生するフトヒルムシロやホシクサ等の希少な植栽を取り入れることで、その植栽を好む生物も含めた生態系保全への貢献も期待できます。フィールドの敷地面積は約500m2で、エリアごとに多種多様な樹木や草本類を取り入れて整備しました(写真1)。ビオトープ池は実験棟の屋上に降った雨水を利用する循環型のシステムとなっています。また、異なる仕様のインセクトホテルを複数設置し、各エリアを繋ぐように暗渠を設けることで昆虫をはじめとする様々な生物に配慮しました(写真2)。落葉樹の葉や剪定枝を堆肥化するためのコンポストも敷地内に設置することで場外にゴミを出さないビオトープとして整備しています。
1)2030年までに国土(陸と海)の30%以上を自然環境エリアとして保全するための目標
■ 今後の展開
希少な地域性植栽の維持管理を図り、継続的な生物モニタリングを通して生物多様性の保全状況を定量的に評価することで、環境に配慮した緑地整備や地域に根差したまちづくりに貢献していきます。また、地元の小学生が自然について学べる環境教育の場としての活用も計画しています。
■ 備考
本ビオトープは、箱根植木株式会社(社長:和田新也)および、あいかわ自然ネットワーク(事務局:大木悦子)のご協力の下、管理者のご了承により地域に自生する植物を用いて整備を行いました。