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ジェネレーティブデザインによるトンネル仮設備配置計画の効率化と最適化

お知らせ2024年06月18日

“技術者の暗黙知”を最適化する



 当社とONESTRUCTION株式会社(本社:鳥取県鳥取市、社長:西岡 大穂、以下「ONESTRUCTION」)の2社は、ジェネレーティブデザインを活用し、仮設備配置の効率化と最適化を目指して、トンネル工事現場で検証を実施しました。

■背景・目的
 建設現場では、プラント、資材のストックヤードなど仮設備の配置計画が施工をするうえで重要な要素となります。特に、山岳トンネル工事では、限られた敷地内での効率的な作業が求められます。しかし、最適な仮設備の配置計画は、地形や導線など様々な要因が複雑に絡みあうため、経験豊富な現場技術者でも簡単には計画が作れず、ましてや若手の技術者においては相当の時間を要するという課題がありました。そこで、西松建設とONESTRUCTIONは、ジェネレーティブデザインという新たな技術を活用し、仮設備の配置計画の効率化と最適化に取り組みました。

■取り組みの概要
 ジェネレーティブデザイン(Generative Design)とは、コンピューターに設計のイメージや要件を入力することで、自動的に複数のデザイン案を生成する手法です。この技術を活用することで、従来の手法よりも迅速かつ最適な仮設備配置が可能となります。
 このたび、西松建設がこれまでトンネル工事で培った現場のノウハウ、アイデアをインプットデータとしてジェネレーティブデザインに落とし込み、山岳トンネル工事のスペシャリストの知識いわゆる「暗黙知」を「形式知化」しました。これにより、トンネル工事で蓄積してきた技術・ノウハウを次世代に継承する仕組みのひとつが構築できたと考えております。

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従来の設計とジェネレーティブデザインとの比較


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ジェネレーティブデザインが考えた設計案の一例


■今後の展開

 ジェネレーティブデザインによる仮設備配置の効率化と最適化は、建設現場の計画作業効率を大幅に向上させるだけでなく、車輛の導線や安全通路等も考慮した設計案がアウトプットされることから安全性の向上にも寄与します。また、暗黙知の可視化とナレッジ化により、経験豊富なスペシャリストの知識を次世代に継承することが可能となり、仕組みのひとつが構築できたと考えています。
 今後は更なる暗黙知をシステムに落とし込み、性能の向上を図るとともに他工種への展開、提案型フロントローディングに向けたジェネレーティブデザインの現場浸透を図っていきます。
 また、このシステムの活用により現場計画業務の時間短縮、施工管理の品質向上・安全管理への展開にも取り組んでいきます。



■ジェネレーティブデザインとは
 ジェネレーティブデザインは、設計検討プロセスです。デザイナーやエンジニアは、設計目標とともに機能、空間条件、材料、製造方法などのパラメータを考慮しながら最適な設計案を効率的に探索し、生成します。デザインの独創性や設計コストの削減、設計検討プロセスの効率化、比較検討の質の向上など多くのメリットが挙げられます。

■Dynamoとは
 Dynamoは、プログラミング経験の有無にかかわらず、だれでも簡単に使用できることを目的として開発されたビジュアルプログラミングツールです。ロジックに基づいたジオメトリのコントロール、Revitでの複雑なデータ処理を自動化、Revitファミリのパラメータの効率的な操作、様々なアプリケーションとの連携などができます。