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西松建設、戸田建設、奥村組の3社で「土木工事プラットフォーム」の第二弾
「進捗Pro™」「濁水ウォッチャー™」を開発

お知らせ2025年08月19日

-実現場に適用し、生産性向上・労働時間短縮を実現-


 当社と、戸田建設株式会社(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)、株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、社長:奥村 太加典)の3社は、株式会社ネクストフィールド(本社:東京都渋谷区、社長:中川 勲治)の協力のもと、計画工程に対する進捗度をスマートフォンで管理できる「進捗Pro™」と濁水処理施設の数値・データを遠隔管理する「濁水ウォッチャー™」を開発し、実際の工事現場での利用を開始しました。当アプリケーションは過年度に構築した「土木工事プラットフォーム」上で利用できます。

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システム全体のイメージ図



■土木工事プラットフォームについて

 土木工事における情報を一元化し、リアルタイムでの見える化、施工リスクの早期発見を図ることを目的に、当社・戸田建設・奥村組の3社は2023年7月に共同研究開発に関する契約を締結し、2024年3月に「土木工事プラットフォーム」を構築しました。当プラットフォームでは、これまでに「シールド掘進にともなう振動計測」、「地盤掘削等にともなう山留壁の変状計測」の2つのアプリケーションを開発し、上記3社によるJVで施工中のシールドトンネル工事をモデル現場として検証しました。振動計測については、シールドマシンに設置した振動加速度から換算した地上の振動レベルの予測値を、山留壁の変状計測については、山留壁に設置した傾斜計とアンカー軸力計の数値を、それぞれe-Stand※1に表示するとともに、危険度レベルに応じたアラートの発報システムを搭載しています。


■今回開発した2つのアプリケーション

 3社がこれまで蓄積してきた施工に関する知見を活かし、本システムで現場管理の効率化をサポートするため、建設現場で汎用的に利用できる2つのアプリケーションを新たに開発しました。
 3社が施工する道路リニューアル工事、鉄道工事、シールド工事等をモデル現場とし、2つのアプリケーション(進捗Pro™、濁水ウォッチャー™)の有効性について検証しました。

①進捗Pro™
時間制約が厳しい道路占用工事や営業線内鉄道工事などで、計画工程に対する進捗度をスマートフォン等による操作で可視化し、作業箇所と遠隔地(施工者や発注者の事務所)双方において、進捗状況をリアルタイムで共有を可能とするアプリケーション。工事に関わる複数人が進捗状況を容易に打刻、閲覧することができ、適切な工事継続の可否判断を行うことが可能となります。

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進捗Pro™イメージ図

②濁水ウォッチャー™
濁水処理施設の排出値や薬剤の残量は通常、アナログメータ等で管理され、担当職員による現認が必要でした。当アプリはアナログメータ等をOCRカメラで読み取り、数値化することで、データの自動共有と遠隔可視化、設定した値によりアラートの発報を行い、工事担当者に知らせます。
これにより、遠隔監視が可能となり、現地での確認作業の省力化、アラート機能による早期のリスク検知を実現します。

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濁水ウォッチャー™イメージ図




■他社提供の開始
 建設業界全体の生産性向上、現場管理の効率化を進めていくため、他の建設会社に土木工事プラットフォームのサービス提供を開始しました。現在、中堅ゼネコンの道路占用工事や、地方ゼネコンの舗装工事では進捗Pro™の利用が始まっています。



■今後の展望

 当社・戸田建設・奥村組の3社はネクストフィールドと共同で、今後も各社で蓄積してきた施工ノウハウと情報基盤を活かすとともに、熟練の現場監督がもつ現場管理の知識や感覚などのナレッジと現場情報を一元化し、技術開発への応用を進め、土木工事プラットフォーム内のアプリケーションを拡充してまいります。
さらに、当プラットフォームでの他社利用を積極的に展開することで、建設業界全体の現場管理の効率化を下支えし、持続的な発展・活性化に貢献してまいります。

  1. ※1e-Stand ネクストフィールドが提供する建設現場向けダッシュボードサービスで、必要な情報をリアルタイムに一覧表示・操作することができます。
  2. ※2OCRカメラ OCROptical Character Recognition/Reader)とは、写真や画像から文字を読み取り、テキストとしてデジタルデータ化する(光学文字認識)技術です。OCR機能のあるアプリでは、画像やカメラで撮影した写真から文字を認識して読み取り、テキストデータを抽出できます。