リアルタイム吹付け厚さ計測機能を搭載した自動吹付け
『コンクリート自動吹付けシステム』を現場導入
お知らせ2026年08月06日
当社、エフティーエス株式会社(社長 木村浩之)、清水建設株式会社(社長 新村達也)、戸田建設株式会社(社長 大谷清介)、前田建設工業株式会社(社長 前田操治)で構成する共同開発チームは、山岳トンネル工事におけるコンクリート吹付け作業を自動化する「エレクタ一体型コンクリート自動吹付けシステム(商品名:ヘラクレス-AUTO)」(建設機械施工大賞※1大賞部門 優秀賞受賞)を開発し、国土交通省四国地方整備局発注の一般国道55号桑野道路長生・明谷トンネル工事に導入しました。
近年、国土交通省が推進するi-Construction2.0や厚生労働省の「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」において、自動化施工技術の導入が求められています。また、建設業界では技能労働者の減少や熟練技能者不足が深刻化しており、安全性向上と生産性向上を両立する技術開発が急務となっています。
本コンクリート自動吹付けシステムは、リアルタイムに吹付け厚さ等の出来形を可視化する「吹付けナビゲーションシステム」と、吹付けロボットの「ノズル自動制御システム」を融合した自動施工システムです。構成技術となるミリ波レーダ技術、モーションキャプチャ技術、機体位置計測技術を組み合わせることで、高濃度粉じん環境下でも吹付け厚さをリアルタイムに計測し、施工状況をフィードバックすることにより、ノズルオペレータの技量に依存しない高品質な施工が可能です(図1)。
図1 コンクリート自動吹付けシステム概要図
図2 キャビン内におけるオペレータによる自動吹付け状況
ノズルオペレータはタブレット上で吹付けエリアを設定するだけで、自動吹付けを開始できます(図2)。吹付け中は設計厚さとの差をリアルタイムで確認でき(図3)、不足箇所や余剰吹付け箇所を可視化することができます(図4)。自動吹付け途中でも,任意に再吹き付けできます。これにより効率的な施工と高品質な出来形管理を実現します。また、独自開発したノズル誘導アルゴリズムにより、凹凸の大きい掘削面でも吹付け面との距離を一定に保ちながら施工でき、一次吹付けを含む幅広い施工条件への適用が可能です。現場適用では、ノズルオペレータは、切羽天端から45度のライン外の安全が確保された位置で吹付けを実施し、吹付け厚さ確認などのための切羽直下作業を不要としました。その結果、肌落ち災害やじん肺リスクを大幅に低減するとともに、切羽直下作業時間ゼロを実現しました。また、リアルタイム出来形管理による余剰吹付けの抑制、技能者の経験や技量に依存しない安定した高品質な施工など、安全性・生産性・品質の向上効果を確認しています。
左)図3 リアルタイム吹付け出来形表示 右)図4 吹付け不足エリア表示
共同開発チームは今後も現場適用を継続し、サイクルタイム短縮効果や定量評価を進めるとともに、「ヘラクレス-AUTO」の販売を開始する予定です。山岳トンネル工事の自動化施工を推進する次世代技術として、全国のトンネル現場への展開を図ります。
※1 一般社団法人 日本建設機械施工協会 日本建設機械施工大賞
(https://jcmanet.or.jp/kyokai-katsudo/commendation/seko-taisho/)
