遠隔装薬装置向け自動爆薬供給システムを開発
お知らせ2026年10月21日
−山岳トンネル施工の装薬作業自動化を実現−
当社は、山岳トンネル施工の装薬作業において、「遠隔装薬装置」に自動で爆薬を供給するシステムを開発しました(写真-1)。これにより、従来は装薬孔ごとに作業員が手作業で行っていた爆薬供給の一連の工程が自動化され、当社が目指す山岳トンネル施工の完全無人化・完全自動化に向けて、大きく前進しました。
■開発の背景
当社ではかねてより、山岳トンネル施工のオートメーション化を目指し、重機の遠隔施工や自動運転を中心とした無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS(トンネルリモス)」の開発を進めています。この取り組みの一環として、肌落ち災害の危険のある切羽近くで複数の作業員が⻑時間行う必要のある装薬作業に着目し、作業員が切羽天端から45 度範囲内※1 に立ち入ることなく爆薬を装填できる遠隔装薬装置を開発しました※2。北海道新幹線、渡島トンネル(台場山)工事における現場実証では、切羽を無人化した状態で装薬作業が実施可能であることを確認しています。※3
しかし、従来の遠隔装薬装置では、装薬孔1 孔ごとに作業員が手作業で爆薬を供給する必要があり、装薬作業の完全自動化に向けた課題となっていました。そこで当社は、ロボットアームにより遠隔装薬装置に爆薬を自動供給するシステムを開発しました。
■システムの概要
本システムは、親ダイを把持して遠隔装薬装置に装填するロボットアーム(写真-2)、増しダイとなる粒状爆薬を圧送する粒状爆薬供給装置、ならびに遠隔操作で装薬孔へ挿入する遠隔装薬装置で構成されます。装薬手順は以下の通りです。
- 1ロボットアームによる
親ダイの装填ロボットアームが親ダイを1 本ずつ把持し(写真-3)、遠隔装薬装置の装填パイプ先端へ自動で供給します(写真-4) - 2遠隔装薬装置の装薬孔への挿入
操作者は切羽から離れた操作席で映像モニターを確認しながら遠隔装薬装置を操作し、装填パイプを装薬孔へ挿入します(写真-5、写真-6)。 - 3装薬孔への装填
エア圧送にて親ダイを装薬孔内に装填した後、粒状爆薬供給装置(写真-7)から増しダイとなる粒状爆薬を圧送して装薬孔内に充填します(写真-8)。

写真-2 ロボットアーム 
写真-3 ロボットアームによる親ダイの把持 
写真-4 遠隔装薬装置への親ダイの供給 
写真-5 遠隔操作状況 
写真-6 装薬孔への挿入状況 
写真-7 粒状爆薬供給装置

写真-8 装薬完了状況
■当社実験施設にて実証試験を実施
本システムを遠隔操作ロボットに搭載し、仮想切羽を模した花崗岩試験体に設けた装薬孔を対象として実証試験を行いました。その結果、ロボットアームによる親ダイの供給から装薬孔への挿入、爆薬の装填までの一連の作業が、作業員による切羽近傍での立会いを伴わずに自動で実施できることを確認しました。
■今後の展開
今後は、本システムを当社施工中のトンネル建設現場で実証するとともに、装薬作業のさらなる自動化技術の開発を進め、トンネル工事の課題である肌落ち災害防止・労働力不足への対策を図るとともに、安全性および生産性の向上に引き続き取り組んでまいります。
また、Tunnel RemOS については、各技術の実証実験を2027 年度までに完了する計画であり、本技術もその構成技術に位置付けています。これらの技術を用いて、トンネル掘削作業の完全無人化・自動化の早期実現を目指し取り組みを続けてまいります。
- ※1厚生労働省「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に関わるガイドライン」
第6 事業者が講ずべき措置より
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001233649.pdf - ※2山岳トンネルの切羽無人化に向けた遠隔装薬装置を開発(2026 年9 月8 日ニュースリリース)
https://www.nishimatsu.co.jp/news/2026/post̲171.html - ※3山岳トンネルの切羽無人化に向けた遠隔装薬装置の現場実証(2026 年9 月29 日ニュースリリース)
https://www.nishimatsu.co.jp/news/2026/post̲174.html

写真