土木技術
インフラ

モイスチャーウォール

高保水性素材を用いた壁面コンクリートの給水養生技術

概要
スラブ状の水平面に比べて、湿潤養生を安定的に継続して行うことが難しいコンクリート壁面を対象に、特殊な保水シートを用いて均質な湿潤養生をおこなうことができる養生技術です。

特長
■養生シートは軽くて設置しやすく、養生中のコンクリート表面の相対湿度は100%RHを保持
■保水力が高く、鉛直壁面でも少量の給水量で長時間保水性を持続
■コンクリート表層品質の改善 (例: 表層透気係数34%向上、表面吸水速度22%向上)

厚さ6㎜(標準)の「給水基材シート」に、有孔加工を施した厚さ約2㎜の「特殊保水素材」を一体成形した養生シートを使用します。養生シートの重量(吸水前)は1m2当り560gと軽量で、型枠を取り外したコンクリート壁面に固定し、養生シート上方から水を定期的にポンプで自動供給します。水は給水層を通って保水層で吸収され、長期間に渡って水を保持してコンクリート表面を湿潤状態に保ちます。従来の養生マットを用いた場合に比べて、水の供給頻度が少なくすむので運転管理がしやすく、養生シート同士を嵌合できるため設置時の固定作業が簡単です。また、水を吸った保水層がコンクリート面に密着して、ムラなく養生できます。