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ジオポリマーによる実建物の建設に向けた研究会の発足

お知らせ2022年09月09日

~二酸化炭素排出削減と産業廃棄物の有効利用に貢献~

当社と公立大学法人北九州市立大学(北九州市小倉南区、理事長:津田純嗣)が、ジオポリマーによる実建物建設にむけ研究会を発足しましたのでお知らせします。


【背景】
ジオポリマーとは、産業副産物であるフライアッシュ、高炉スラグ微粉末等を特殊な溶液で固化させた新しい建設材料です。ジオポリマーで構造物を建設した場合、セメントで建設するより 80%程度 CO2 を削減できると試算されており、低炭素社会の実現に貢献できる材料として注目を集めています。
当社では、2010年からジオポリマーの開発に取り組んでおり、2次製品への利用など普及を進めております。
建築物に構造材料として用いる場合には、品質や性能などの技術的課題のみでなく建築基準に適合する必要があり、ジオポリマーを建築材料として使用するためには、これらの課題の解決と、可能な範囲で構造物等への施工実績を積み上げる必要がありました。


【内容】
そこで、このたび、当社と公立大学法人北九州市立大学が、福岡県リサイクル総合研究事業化センター※1の支援により「浮遊選鉱法※2によって改質した燃焼灰を使用したジオポリマーコンクリートによる実建物の実証研究会」を5月に発足し、今夏より活動を開始しました。
ジオポリマーを建築物へ適用するための法律上の課題を整理すると共にその材料特性、製造・施工方法、費用などの検討を行い、2025年度の実建物建設に向けて活動を進める予定です。


【体制】
本研究会では、北九州市環境局グリーン成長推進部環境イノベーション支援課などに、建築に関する技術基準の適合や建設する建物の使用用途に関する助言を、響灘エネルギーパーク合同会社には、材料であるバイオマス灰の提供でご協力をいただく予定です。
ジオポリマーの建築物への適用および材料特性、製造・施工方法、費用などの検討を行い、2025年度の実建物建設に向けて活動を進める予定です。


※1:公益財団法人福岡県リサイクル総合事業化センターでは、循環型社会を構築するために、産・学・官・民が連携して行うリサイクル技術及び社会システムの研究開発やその展開を支援する研究機関です。新規性があり実用化が見込まれる研究テーマを公募し、採用したテーマについては、研究費用の助成やコーディネ
ーターによる助言等の支援を行っています。
※2:浮遊選鉱法は、バイオマス灰を改質する技術です。灰の未燃炭素量が3%を超えると、コンクリートに悪影響を及ぼします。未燃炭素量を減らすために、灰と水を混ぜ合わせた溶液に、灯油とマイクロバブルを用いて未燃炭素を除去します。本技術は、令和 2 年度気候変動アクション環境大臣表彰および第 13 回エンジニアリング奨励特別賞を受賞しています。

参考資料
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【研究会体制図】